知って得する病気の知識

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●動脈硬化の危険因子

動脈硬化の危険因子にはさまざまな要素があり、加齢や性差、遺伝的要因なども危険因子の一つと考えられています。しかしその多くは、生活の乱れを正すことで予防できるものもあります。また因子がいくつも重なると、動脈硬化の危険性が高くなると考えてよいでしょう。

【脂質異常症(高脂血症)】

血液の中に含まれている脂肪には、「LDLおよびHDLコレステロール」「リン脂質」「遊離脂肪酸」「トリグリセリド(中性脂肪)」があります。いずれの脂肪も、細胞膜やホルモンを作ったり、エネルギー源のひとつでもあり、身体が正常に働くためには欠かせない成分です。しかし、血液中に含まれるそれらの脂肪量のどれかが正常値の範囲内にない場合を「脂質異常症」といいます。


なかでも動脈硬化に関係してくるのが「LDLおよびHDLコレステロール」「トリグリセリド」で、脂質異常症はそれぞれ「高LDLコレステロール血症」「低HDLコレステロール血症」「高トリグリセリド血症」とも呼ばれます。


ここでコレステロールのLDLとHDLの違いについて説明しましょう。体内のコレステロールはリポタンパクによって運ばれますが、これにはLDLとHDLの種類があり、LDLはコレステロールを全身の細胞に運び、HDLは細胞で余ったコレステロールを肝臓に戻す役目をしています。したがって、LDLが多かったりHDLが少なかったりすると、血管壁にコレステロールがたまることになるのです。


日本動脈硬化学会が2007年4月に発表した「動脈硬化性疾患診療ガイドライン」によれば、「高LDLコレステロール血症」と診断される基準は、LDLコレステロール値 140mg/dL(総コレステロール値 220mg/dL)以上としています。ただし、高血圧や糖尿病、心筋梗塞の既往などがある人は、もっと下げることが必要です。


【高血圧】

血圧は、血液が体内を循環するときに血管壁にかかる抵抗(圧力)をいいます。高血圧は、年をとって血管が硬くなったり動脈硬化によって血管の内腔が狭くなったりすると、強い圧力で血液を流さなければなりません。これが高血圧で、この状態が長く続くと血管壁がもろくなり動脈硬化が起こる原因になるのです。

【糖尿病】

糖尿病は、すい臓のインスリン分泌作用の障害で血液中の糖分の濃度が高い状態になる病気です。慢性の高血糖が続くと高血圧や脂質異常症などの合併症が起こりやすくなり、それによって動脈硬化が進行します。

【肥満】

食生活の偏りによって引き起こされる肥満は、脂質異常症や高血圧、糖尿病などの病気の原因となり、それにより動脈硬化が促進されるといった悪循環の元となります。

【メタボリックシンドローム】

内臓脂肪の蓄積に加え、高血糖、高血圧、脂質異常症(高脂血症)のうちの2つが加わるとメタボリックシンドロームと呼ばれます。メタボリックシンドロームになると、アディポサイトカインと呼ばれるホルモン様物質が脂肪細胞から分泌され、高血圧や高血糖の状態となり動脈硬化が進行します。

【痛風】

血液中の尿酸値が高くなる痛風では、脂質異常症を伴っている場合が多く、動脈硬化の危険因子とされています。

【食事や嗜好品】

肉類や乳製品などに偏った食事や、過食、不規則な時間での食事などは、脂質異常症、高血圧、肥満を招きます。さらに喫煙は血管に悪影響を与え、アルコール類は脂質異常症や糖尿病、肥満、痛風などの原因となります。

【運動不足】

運動不足は消費エネルギーが少なくなり、余分なエネルギーの蓄積が肥満を引き起こします。

【ストレス】

精神的・肉体的ストレスは血圧を上昇させたり、偏食、嗜好品の多量摂取につながり、ひいては肥満や動脈硬化の要因となる病気の原因となります。


【加齢や性差】

老化は皮膚などを衰えさせるように、血管の柔軟性を失わせます。動脈硬化は10歳代から始まるといわれていますが、とくに中高年以降は病気になる確率も高くなり、動脈硬化の危険性がより高まります。
また、男性のほうが女性よりも動脈硬化の進む傾向が見られますが、女性も閉経後はホルモンの関係で動脈硬化の危険性が高まります。


【遺伝】

高血圧や脂質異常症などは、遺伝的な要因が大きいといわれています。また、遺伝によって高血圧などになりやすい体質を受け継ぐとともに、食生活などの環境要因は親から子へと影響を与えやすく、それによって動脈硬化の誘因となる病気を招きやすいともいえます。


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