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誤飲、異物が詰まってしまった場合 

子どもに多く、危険な事故です

 子どもが異物をのどに詰まらせたり、飲みこんだりして起きる事故は毎年多発しています。誤飲は命を危険にさらす、たいへん危険な事故ですので、家庭ではもちろん、家庭以外でも最大限に注意しましょう。

どうして誤飲が起きてしまうのか?

 誤飲の原因を考えてみたいと思います。
 子どもはなぜ、異物を飲んだりのどに詰まらせたりするのでしょうか?。
 誤飲は子どもの体の大きさもありますが、心身の発達にも関係があります。
 5~6ヵ月の頃のあかちゃんは、口に入れられる大きさのものが全て食べ物ではないということが理解できません。また、食べ物が食道に入るときには気管のふたが閉じますが、乳幼児は、まだその機能が未発達なのです。そのため吸い込んだものが間違って気管に入ることも十分にあるのです。

誤飲の具体例をご紹介します

1.玩具(小さなおもちゃ等)を飲んでしまった
 子供用のおもちゃにも色々ありますが、最近は対象年齢がきちんと表記してあります。ただし、兄弟がいる家庭では注意が必要です。お兄ちゃんなど、大きい子どものおもちゃに、赤ちゃんが触れる可能性があるからです。
 小さいおもちゃは、のどに詰まってしまう恐れがあります。口に入れているなと思った次の瞬間、のどに詰まって窒息しないとも限りません。
 「スーパーボール」として知られている小さなゴムの硬いボールをのどに詰め、手当が間に合わず死亡した例もあります。
 ツルツルしたものほど、のどからつまみ出しにくいので、こうしたものは家庭に置かないか、見つけたら子どもの手には届かない場所にしまってください。

<対処法>
 万が一、何かがのどに詰まった場合は、子どもをうつぶせにしたり下向きに抱えて背中をたたいてください。それでも出てこない場合や、呼吸をしていないときは、救急車を呼び一刻も早く病院へ運搬し、異物を取り出しましょう。


2.たばこを飲んでしまった
 誤飲事故の中でも、最も多発するのケースです。
 まずはじめに、子どもにとってタバコは非常に危険な物であることを大人は認識して下さい。子どもの手の届かないところに置いておくことはもちろん、ジュースの空き缶等に、たばこの吸いがらを捨てていることがあるので、そういったものにも注意が必要です。
 たばこのニコチンは毒性が強く、子どもでは半分から1本分のニコチンで致死量となってしまいます。いちばん怖いのは、たばこが捨てられていた茶色い水を飲んだり、濡れたたばこを食べてしまうことです。
 たばこの害は主にニコチン中毒によるものです。渇いたたばこにも、もちろんニコチンは含まれていますが、溶け出すまでには少し時間がかかります。けれどもニコチンが溶け出している水や、濡れたたばこでは、ニコチンそのものがいきなり体内に入ることになってしまいます。この場合、吸収が早いので一刻も早い処置が必要になるのです。

<対処法>
 たばこを食べたり、灰皿の水を飲んだりしたことに気づいたら、口にした量を確認して下さい。量が多い場合は救急車、あるいは救急病院に至急連絡を取ります。
 何かを飲ませて吐かせたほうがよいのかと迷うかもしれませんが、ニコチンの水を飲んだときは、とにかくそのまま病院へ急いでください。
 ニコチンが吸収されたときの症状は、30分ほどで嘔吐や腹痛、めまいを訴え、けいれんを起こしたりします。
 そのときには・・・
 •どの程度の量を食べたり飲んだりしたか
 •どのくらいの時間が経過しているか
 この2点を医師に伝えられるように準備しておいて下さい。


3.医薬品を飲んでしまった
 小さい子が、お菓子などと間違えて「薬」を飲んでしまうという誤飲事故もあります。かぜ薬などを大量に食べてしまったり、おとなの特殊な処方薬を飲み、胃洗浄などを行なったケースもあります。

<対処法>
 万が一、薬を飲んでしまったときには「いつ、どの薬を飲んだか?」を、分かるように準備し、急いで救急病院で処置を受けてください。
 そして、そもそもこうした薬を子どもの手に届く場所に置かないよう、注意をしましょう。


4.電池(乾電池等)を飲んでしまった
 電池を飲み込むシーンは様々です。喉に詰まりやすい大き電池も危険ですが、特に危険なのはボタン電池です
 ボタン電池といっても最近は種類が多く、一般的なアルカリマンガン電池は、構造上強いアルカリの物質が入っているため、それがもれると胃をあっという間に浸食してしまいます。胃に穴が空いてしまうこともあるのです。
 また、最近多くなってきたリチウム電池は、電流が流れてしまうおそれがあり、これも危険です。
 同じ電池でも、古くなったり使い切って放電しなくなったものはそれほど問題になりません。新品や使いかけのもの、リチウム電池は危険なのだと覚えておいて下さい。

<対処法>
 電池を飲み込んだと分かったら、どんな電池だったのかを書き留め、同じ物を持参してただちに病院へ行きましょう。
 医師には「いつ、どのような電池を飲みこんだのか?」を、きちんと説明して下さい。
 場合によっては入院しての処置が必要になることもあります。


5.漂白剤・洗剤等を飲んでしまった
 刺激があるので、子どもは大量には飲めませんが、粘膜を傷めるため注意が必要です。応急処置のままにせず必ず受診してください。

<対処法>
 もし少量なめた程度なら、水で口をゆすがせ対処してください。しかし、たくさん飲み込んでいるといけないので「牛乳、水、生卵」を飲ませて胃粘膜を保護する処置をしておきましょう。
 慌てて吐かせたりすると、胃から逆流した液体がまた食道や口内を刺激したり、誤って肺に入ってしまうこともあります。
 先ほど「牛乳、水、生卵を飲ませて・・・」と書きましたが、ジュースや酢、炭酸水は飲ませてはいけません、化学反応を起こすおそれがあるからです。
 飲んだものが塩素系か酸素系かによって対処法が変わりますので、受診の際には何を飲んだのかが分かるよう、容器を持っていくとよいでしょう。


6.クリップや画鋲(がびょう)を飲んでしまった
 「とがったもの」「複雑な形をしたもの」は、のどに引っかかったり、飲み込んでしまった場合は、食道や胃粘膜を傷つけてしまうことがあります。
 例えば、画鋲(がびょう)を飲みこんで食道に引っかかり、カテーテルを使った事例があります。また、ヘアピンが食道にひっかかり、全身麻酔で取り出したという事故も過去にありました。
 いずれの場合も病院に入院し、子どもの体に負担のかかる方法で取り出すようなことになってしまいます。

<対処法>
 クリップや画鋲(がびょう)など、これらの物体を飲み込んだかもしれないときは、まず口の中をのぞいてみてください。取れそうな位置にあれば、指でつまみ出してもよいのですが、それ以上奥に入っていると、経験のない者が処置をすることはほとんど不可能です。救急病院に急いで連れていくか、出血したりしている場合は救急車を呼んで処置をしてもらいましょう。


対応に困ったら

 飲んでしまったものによって、対処法は異なります。吐かせるべきかどうか、何か飲ませたほうがいいのか困ったときは専門機関に問い合わせましょう。
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