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首の異変(痛がっている等) 

のどが痛いのとは区別して

 子どもは痛みを表現するのに慣れていません。ですから、首が痛いといってきたときはのどかもしれないし、耳の後ろかもしれません。よく話を聞いて全身状態を見てあげることが大事です。そのうえで、医師に診断を仰ぎましょう。
 首が痛いと感じる病気には、アデノウイルスやエンテロウイルスのかぜやおたふくかぜなどがあります。のどのようすを見てもらえば、多くの場合診断が尽きます。

川崎病とは?

 リンパ腺に関係があって、首が痛いときに疑われる病気があります。川崎病です。
 川崎病は日本人の川崎先生が発見したことからこのような呼称があります。皮膚粘膜リンパ節症候群ともいわれ、その英語の頭文字をとってMCLSとも言われていました。皮膚、粘膜、リンパ節に症状が出る病気です。
 まだ原因がわからないため症状から診断する病気にとどまっています。一応診断の手引きがつくられ、5日以上続く発熱、四肢末端の変化、不定形発疹、両側眼球結膜の充血、口唇、口腔所見、急性期における非化膿性頸部リンパ節腫脹の主症状と参考条件から診断します。ちょっとわかりにくいので簡単に説明しますと、熱があって、目が赤くなり、口紅を塗ったような唇、発疹があり、首のリンパ腺がはれ、手足がはれたときこの病気を疑うのです。
 症状から何かの感染症ではないかといろんなウイルスや細菌が疑われましたが決定的な原因までには至っていません。現在一致していることは何らかの免疫異常により血管に炎症を起こすことです。これを血管炎と言いますがその主要場所として心臓に栄養を送っている冠動脈(かんどうみゃく)が重要なのです。

合併症は?

 発熱を伴うので熱性けいれんを起こします。また中耳炎も合併症としてあります。
 しかし、いちばんの問題は、先ほど紹介した冠動脈(かんどうみゃく)に炎症を起こし動脈瘤(どうみゃくりゅう)ができたり血管が蛇行して狭くなり、おとなの狭心症(きょうしんしょう)や心筋梗塞(しんきんこうそく)のようなことが起こる可能性があることです。川崎先生がこの病気を報告した当時は、特徴的な症状が一過性に起こり、問題なく治る病気のような感じでした。ところがこの川崎病にかかった子どもに突然死が報告され問題になったのです。最初は0.5%から1%に突然死があると報告されていましたが、治療の改善でかなり減少してきています。現在はこの冠動脈(かんどうみゃく)の病変を防ぎ軽くすることが治療の中心です。

治療はどうする?

 この血管炎を早く治すために、早く診断し入院してガンマグロブリン療法が中心になっています。またアスピリン療法も行なわれています。アスピリンは以前子どもの解熱剤として頻繁に使われていましたが、副作用の問題で使われなくなりました。しかし川崎病は別です。心エコー検査で心臓病変が正確に把握できるようになり、治療も向上しました。

おわりに

 川崎病はまだ原因がきちんとわかっていない病気です。心臓に影響する、心配の大きい病気です。入院し、きちんと治療し退院できる病気ではありますが、その後も定期的に心臓の状態をチェックしなければいけません。
 子どもの病気で熱を伴うものはたくさんあります。頻度は少ないですが、つねに川崎病を念頭に置いて小児科医は診察しています。熱があると「またかぜか」と考えがちですが、こんな重大な病気があることを忘れないできちんと受診することが大事です。
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