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食欲がない 

食べることは本能

 食べることは生命を維持するための本能です。食欲は病気だけでなく気分にも影響されます。それが食欲のないときの難しさでもあります。食欲がない状態は、一時的なものから慢性的なものまであり、食べる量が少なくなればやせてきます。特に成長期の子どもにとって食欲がないことは、成長に悪影響を及ぼし、その状態が長く続けば成長だけでなく免疫力が落ち、感染しやすく、かつ治りにくくなるのです。

子どもをよく見ることが大切

 小児科では診察の際、必ず食欲の有無を質問します。食欲は、全身状態を把握する大事な情報です。熱があっても食欲があれば余裕をもってみていき、食欲がないときは要注意です。かぜなど急性疾患のときは、食欲の有無は病気の重さの指標になります。いつも食欲のない子どもの場合は体重、身長など成長の指標をチェックします。これらが平均値と同じスピードで伸びていれば体質と考えます。ところがだんだんと平均値から離れていくときは要注意です。いつから伸び率が悪くなったかを見て、その前後のようすを調べます。食習慣の問題か、精神的な影響か、何か病気の始まりかなどを考えます。もともと食の細い子どもはいるので、元気で顔の表情もよければ問題ありません。いつもは食欲があるのに今日は食欲がないというときには、その後の観察が大事です。食欲以外の症状があるか観察します。飲食をいやがるときは、手足口病など口やのどが痛くなる病気である可能性もあります。食欲の有無の判断は、主観的な部分が多いため、子どもをよく観察することが大事です。

朝食は必ずとるように

 朝食を食べずに園や学校に行ってしまう子どもたちがいます。朝食を食べないと力が出ず、園での生活にも支障が出るでしょう。発達や発育にもよい状態とは言えず、脳貧血などを起こす原因にもなります。家庭での食生活には、園でも注意をはらいましょう。朝食を食べていないようであれば、保護者との話し合いも必要です。朝起きられないことは、就寝時間など生活全体のリズムもかかわっています。子どもが早寝・早起きをし、きちんと食事をとれるようにアドバイスしていきましょう。
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