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やせてきている 

やせている、太っているの基準

 子どもたちはやせている子、太っている子と様々です。まず、やせているということについて考えてみましょう。
 母子健康手帳には乳幼児身体発育曲線のグラフがあります。そこには体重、身長、頭囲、そして体重と身長から出される肥満度があり、それぞれの経時的変化が一目でわかるようになっています。それぞれの値から同年齢の子どもと比較してどの程度かわかるようになっているのです。  体重の変化を追ってみると下3%と上3%の線があり、真ん中94%の子どもが入るようになっています。下3%の線より軽い子どもは、体重が少ないことを意味します。これで経時的にどのくらいの割合で体重は増えていくのかがわかるのです。増えかたが少ないと下3パーセントの線の増えかたより少なくなっていることがわかります。
 一方、身長体重曲線の線は肥満度を表し、上から肥満度+30%、+20%、+15%、−15%、−20%と5つの線があり、ふつうの体型は+15%と−15%の線の間に入ります。
 これらのグラフに子どものそれぞれの値を記入し、時間的変化を見ると、もともとやせている子ども、だんだんとやせている子どもがわかります。生まれつき体重の少ない低出生体重児は、時間の経過とともに平均の中に入っていきます。これをキャッチアップと言います。
 体重がいつでも3パーセント以下で特別な病気を持っていなければ、体質としか言えません。体重が極端に少ないことから病気が見つかることもあります。

体重の増減を決めるもの

 体重の増加・減少は、摂取カロリーと消費カロリーの差で決まり、摂取カロリーは食べる量、消費カロリーは基礎代謝と運動量で決まります。基礎代謝量とは、生命維持に必要なエネルギー量のことを言います。基本的に体重の増減は食べる量によります。
 人はおなかがすけば食べますが、食べて満足する量には個人差があります。少量で満足する子どもは、それなりに体重も少なく、それは体質であり個人差とも言えます。食べることを阻害する何かしらの病気がある子どもや、食べる意欲のない子ども、食べられる環境のない子どもは当然体重が増えません。戦後間もない時代は、多くの子どもたちは食べたくても食べる物がなかったためにやせていました。現在は食べる物が豊富なため、やせている子どもより太っている子どものほうが問題になっています。心臓、腎臓、血液、感染症、神経などの慢性的な病気があれば体重が増えにくく、やせている原因とみなします。それまで順調だったのに、急にやせてきている子どもは、急性の病気にかかっている可能性があります。最近になって急にやせてきているという事実は、とてもわかりやすいサインです。
 貧血があると食欲が減退し、結果的に徐々にやせます。貧血の原因は多く、検査が必要です。急性の下痢嘔吐を伴う病気になると、一時的に病気は回復しても、以前より体重が減りやせてきます。胃腸炎だけでなく肺炎など、入院を要する少し重い病気も同様で、呼吸困難になる発作が頻繁に起こる喘息の子どもは、やはりやせます。

食事が与えられているかどうか(保育者の皆さまへ) 

 子どもに十分な食事を与えていない、いわゆる幼児虐待の状態には要注意です。子どもがやせてきていると思った場合、体重・身長を測り、以前と比較することが大事です。明らかに体重の増加状態が悪かったり減少してきたときは、速やかに医療機関を受診するように指導してください。また、保護者との面談を行い、家庭での状況を確認することも重要です。少ない情報で虐待と決めつけることはできないため、慎重な態度で臨んでください。明らかに家庭環境に問題がある場合は、行政との相談も必要です。
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