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食後に具合が悪くなった(食中毒) 

食中毒のいろいろ

 食べ物が原因で胃腸炎を起こす状態が食中毒です。食中毒には、細菌性のものと化学性のものがあり、また最近は、ノロウイルスによる食中毒もあります。細菌性には感染型と毒素型があり、化学性には化学物質と自然毒があります。子どもでは、ほとんどが細菌性と考えていいと思います。
 腸炎ビブリオ、サルモネラ、ブドウ球菌が日本における3大病因菌と言われています。まだ記憶にあると思いますが、1996年、大阪府堺市の、6,000名を越える病原性大腸菌O−157の感染は、食中毒の怖さを教えてくれました。また、キャンピロバクターによる食中毒もよく話題になっています。
 ブドウ球菌とボツリヌス菌による食中毒は菌が産生した毒素による毒素型中毒で、抗生物質は効果がありません。他の細菌による食中毒は、感染型食中毒で抗生物質の使用が有効です。
 食中毒は、年間を通じて報告されていますが、やはり高温多湿の季節、7、8、9月に多く報告されています。

O-157とベロ毒素

 病原性大腸菌O−157は、ベロ毒素を出す腸管出血性大腸菌です。これによる感染症は、1999年4月から施行された「感染症新法」で3類感染症として位置づけられ、診断した医師は直ちに患者および無症状病原体保有者を届け出る義務があります。2005年には約3,500人が報告され、10歳以下が約1,300人でした。年齢別では0〜4歳が最も多く、5〜9歳がこれに次ぎます。この感染症の問題は、ベロ毒素による溶血性尿毒症症候群という重症の腎障害を合併することです。ほとんどが子どもで、2005年には10歳以下の26人がこの合併症にかかっています。

食中毒の症状

 嘔吐、下痢、腹痛、発熱という症状があれば食中毒が考えられます。ときに頭痛を伴い、腸炎ビブリオでは、腰痛、下痢、サルモネラでは発熱などの症状が強いのが特徴です。食中毒は、同じ物を食べた人が同じ症状を起こすこと、食中毒を起こしやすい食べ物を食べたことなどから疑います。腸炎ビブリオでは魚介類、サルモネラは生卵、キャンピロバクターは肉類、ノロウイルスではカキなどです。食べ物と時間の関係では、ブドウ球菌は2、3時間で症状が出ます。腸炎ビブリオは12時間ぐらい、サルモネラは1〜2日で、キャンピロバクター、病原性大腸菌は3、4日後、時に1週間後のこともあり、原因の食べ物を特定することが難しい場合があります。

食中毒のときの対応

 嘔吐、下痢、腹痛、発熱がある場合は、病院を受診することが大事です。特に食中毒を疑う場合は、ようすを見るより速やかに受診をしてください。できれば下痢便も容器に入れて持参してください。同時に疑いのある食べ物があればこれも持参してください。一般的には、医師は食中毒が疑われるとき、病原性大腸菌以外でも保健所に報告します。
 食中毒は細菌を「つけない」「増やさない」「退治する」が原則で、治療よりも予防が大事です。食事を作る人、食べる人はまず手洗いをし、食材を扱う包丁、まな板、容器も清潔にします。食材は新鮮なものを使い、有効期限を確認しましょう。できれば熱を通して菌がいても殺菌できる状態にします。夏季はできるだけ生ものは避けましょう。
 食中毒は、低年齢になるほど気づくのが遅く、症状が出れば重くなるのが一般的です。特にO−157による腎障害は低年齢ほど重症化し、ときに死亡することもあります。3歳を過ぎたら、生活習慣として手洗いを教えましょう。

園としての対応

 給食を園内で調理している場合は、調理室の状態や、食材についても衛生管理に細心の注意をはらってください。民間の業者に委託している場合も、定期的に話し合いをするなど、管理をしましょう。お弁当の場合は、保護者に雑菌の増えないお弁当作りをこころがけてもらいましょう。食中毒は夏だけとは限らず、1年を通して十分に注意しましょう。
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