表紙ページ >> 急な病気?!と思ったら見て頂きたい緊急時対応方法
体のどこかが痛い >> 耳を痛がっている、耳がおかしい場合

耳を痛がっている、耳がおかしい場合 

耳の病気、特に中耳炎について

 特に風邪の合併症として多く発症するのが「急性中耳炎」です。
 耳は鼓膜より「外側」を外耳、内側を「中耳」、中耳のさらに奥を「内耳」と呼びます。中耳は洞窟のようになっており、これを「中耳腔」と言います。中耳腔は耳管という管で鼻腔とつながっています。
 子どもの耳管はおとなに比べて短く、太く、水平になっているため中耳炎になりやすく、おとなの耳管の形に近づくにつれ、中耳炎になりにくくなります。

■急性中耳炎
 耳管は直接見ることはできませんが、感覚として感じる事はできます。高低差のあるエレベーターや飛行機に乗って、上昇したり下降したりすると、耳がツーンとなる経験が誰にもあると思います。これは鼓膜を境にして、外側と内側に圧差が生じるためです。この圧差を解消するため、唾液を飲み込んだり「何かを飲み込んでゴックン」することで治ったりしますが、この「ゴックン」という行為で耳管を開いているわけです。この耳管の働きが悪いと耳が痛くなります。
 急性中耳炎は「耳が痛い」「耳だれが出る」などの症状が出ることで疑います。耳鏡で耳の鼓膜を見ると赤くはれていて、ときに膿が溜まって黄色く見えることもあります。 これらの症状のとき、痛みを訴えられない乳児や幼児の場合には、機嫌が悪かったり、耳をよく触る、甘えるという行動に出ることがありますので、よく観察してみてください。また微熱が続いたり、おなかを痛がったりするときにも中耳炎の場合があります。
 かぜを引いて鼻水が続き、特に黄色いドロッとした鼻水が続くときは中耳炎を合併していることがよくあります。集団生活をしている子どもたち、特に乳児は風邪をよくひきますので、その結果、中耳炎にもよくかかるのです。
 3、4歳になると、中耳炎にかかる頻度も減少してきます。
 急性中耳炎は、軽い場合は自然に治ることも多いのですが、赤くはれがひどいときは抗生物質を処方したり、鼓膜切開をして治療します。

■滲出性中耳炎
 中耳炎には、もう一つ注意しなければいけない種類があります。「滲出性中耳炎(しんしゅつせいちゅうじえん)」です。急性中耳炎は化膿性中耳炎とも言われ、膿が中耳腔に溜まりますが、滲出性中耳炎では滲出液の中に膿もなく、ばい菌も見られないのが特徴です。はっきりした原因はよくわかっていませんが、急性中耳炎の治療が不十分だったり耳管の機能がうまく機能せず、滲出液を耳管から排出することがうまくいかないときになるようです。耳の聞こえが悪いことで、この症状に気づくことがあります。
 中耳腔に溜まった滲出液は長い時間かかって吸収されたり耳管から排出されるのですが、ひどいときは鼓膜にチューブを入れて滲出液の排出を促す治療を行います。

外耳道の異常

 外耳道には、耳を清潔にしたり、外からの異物を中に入り込まないように、分泌物が常に出ています。これが「耳あか」と呼ばれるものです。硬いもの・軟らかいものなどがありますが、この性状は遺伝によるところが大きく、日本人は硬いものが多く硬耳垢と言います。外国人は軟らかい軟耳垢が多いようです。軟耳垢は「べと耳」とか「あめ耳」とも言われています。
 これらの耳あかが完全に詰まって、耳の聞こえが悪い状態を、耳垢栓塞と言います。本来耳あかは、顎の動きで外に排出されるようになっていますが、あまり硬いものをかまなくなった現在、耳に耳垢の多い子どもが増えています。
 外耳道の粘膜は、ちょっとしたことで傷つきやすいところです。耳掃除をしていて、綿棒で傷をつけることはよくありますので、あまり無理せずに入り口を清潔にするぐらいにとどめておきましょう。
 アトピー性皮膚炎のある子どもでは、外耳道やその入り口にも湿疹があり、そのためかき傷が見られることもあります。

内耳の病気

 子どもではあまり内耳の病気はありませんが、かぜを引いた後「めまい・フラフラする」ことがあります。ウイルス性の内耳炎で、ほとんどが一過性で1週間もすれば自然によくなります。

前耳瘻孔

 耳たぶの上のところで、耳たぶに移行するところに点のような穴があることがあります。これは前耳瘻孔(ぜんじろうこう)と言って、耳が作られる過程で残ったものです。この穴にばい菌が入って赤くはれることがありますが、何度も繰り返すときは外科的にとってしまうこともあります。

耳の聞こえが悪い

 現在、新生児期に聴力検査のスクリーニングが行われています。スクリーニングの結果は絶対ではないので、その後は生活の中で耳の聞こえが悪いかどうかは、おとなが注意して観察する必要があります。
 聴力は言語発達に大変重要です。早期に発見し、対策を講じなければいけません。集団生活の場でも保育者は注意する必要があります「音に対する反応が悪い」「声の出し方がおかしい」「行動がおかしい」ときは要注意です。親にその旨を話し、きちんと検査するようアドバイスする必要があります。今まで耳の聞こえがよかった子どもが聞こえにくくなったときは、滲出性中耳炎、外耳道異物、耳垢栓塞(じこうせんそく)などが疑われます。
トップページへ戻るケガへの対応病気への対応

日本医師会ホームページ/Copyright © Japan Medical Association. All rights reserved.