10年目のカルテ

後輩を育て、 よりよい医療を目指すのが
僕なりの恩返し

【神経内科】中嶋 秀樹医師
(長崎大学病院 第一内科)-(前編)

社会人経験を経て、医学部へ

――医師を目指したきっかけは何でしたか?

中嶋先生

中嶋(以下、中):家族の病気がきっかけでした。大学の理系学部を卒業して、社会人として働き始めた頃、祖父母や両親が相次いで病気になって母以外は他界し、何が何だかわからないままに葬式が続いたんです。「何だろうこの世界は」と感じて、自分で勉強してこのモヤモヤを解消したいと思い、学士編入学で長崎大学の医学部に入りました。既に家庭もあったのですが、看護師の妻が「やってみれば?」と後押ししてくれました。

―― 神経内科に進むことを決めたのはいつ頃でしたか?

中:初期研修2年目のときでした。はじめは、多くの人を助けたいという気持ちから、内科・小児科・救急をやりたいと思っていました。それで実際に救急の現場に出てみると、神経内科が関わる範囲が広いことがわかってきたんです。また、神経の知識があれば、患者さんの症状について「これは脳に原因があるな」などと診断できることを知り、興味をもちました。指導医の先生が神経内科だったこともあり、神経内科を選びました。

――神経内科というと慢性的な経過をイメージする学生も多いと思うのですが、実際には急性期の関わりも多いのですか?

中:はい。髄膜炎・痙攣・脳炎などは急性期ですね。特に髄膜炎の場合は感染が起こったら抗生剤を処方したりもするので、感染症科の先生に相談しながら治療をしています。もちろん慢性疾患もあり、パーキンソン病や変性疾患、膠原病、あるいは糖尿病で足がしびれるといった症状の患者さんなども診ています。また、今は私の担当ではないのですが、脳卒中、特に脳梗塞の場合には、血栓があるところをエコーで診るだけでなく、他に血栓ができそうなところを探したり、血圧や血糖の管理など一次予防的なアプローチをしたりもします。

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