10年目のカルテ

後輩を育て、よりよい医療を目指すのが
僕なりの恩返し

【神経内科】中嶋 秀樹医師
(長崎大学病院 第一内科)-(後編)

慢性期も急性期も

――神経内科のどんなところにやりがいを感じていますか?

中:オールラウンドに診られるところですね。このあたりは他に大きな病院がないため、超急性期から慢性期の患者さんまで幅広く診なければならないのですが、私はそこに魅力を感じています。慢性疾患の患者さんを診ていたと思ったら、電話がかかってきて救急に呼び出されたりします。忙しくて落ち着かないように思えるかもしれませんが、毎日が充実しています。

――学生や研修医の教育にも携わっているそうですね。かなりリーダー的な役割を担ってらっしゃると思うのですが。

中:はい。10年目ではありますが、神経内科の中では上から2番目なんです。後輩の指導は大変ですし、悩みながらではありますが、上司も「こいつにはできる」と思ってパスを出してくれていると思うので、そこは前向きに考えて頑張っています。

――後輩を指導するうえで、気をつけていることはありますか?

中:患者さんに不利益がないことが第一ですね。その上で、学生や研修医のためになること。そして最後に自分自身の仕事はちゃんと進めること。この3つを同時に満たすことを常に念頭に置いています。
実は私が大学に戻ってきたころは、入局者がかなり少なくなっていたんです。何とか若手を増やそうと思い、神経内科の面白いところをどんどん共有してきました。例えば、最初の診察での所見を若い子たちにやってもらうことで、「あ、発見できた」という気づきを得てもらうんです。そういうことを地道にやって、最近ようやく入局者も増えてきました。やっぱり若い人たちが一生懸命患者さんに接しているのを見ると、「俺たちも頑張らなきゃな」って気持ちになりますし、うれしいですね。

今後のキャリア

――これからどのようなキャリアを考えていますか?

中:大きなことを言うようですが、長崎に恩返ししたいと考えていますね。ここの出身でもなく、医師でもなかった私を今まで育ててくれたのは、指導医の先生や先輩方、そしてこの地域の患者さんたちでした。いい上司に恵まれ、いろいろなチャンスを頂いたおかげで今の自分があると思うので、医師としてこの地に恩返しがしたいんです。それは患者さんを助けることでもあり、後輩を育てていくことでもあるかなと。関わった人たちが助かり、後輩たちがみんないきいきと働けるようにできたらなと感じています。

――そうしたキャリアのなかで、医師になる前の勤務経験を活かせると感じますか?

中:そうですね。医局も組織であり、チームプレイですからね。医師はそれぞれ権限を持っているので個人プレイになりがちですけど、他の組織のようにチームでやれば、もっとすごい力が出せるのではないかと思っています。臨床と研究をうまく分担したり、結婚・出産する人などをチームでサポートしたりしながら仕事を回すことができれば、みんなが満足して気持ちよく働けると思うんですよね。だからそういうところを意識してみんなをまとめるようにしています。


中嶋 秀樹
2005年 長崎大学医学部卒業業
2014年7月現在 長崎大学病院 第一内科 助教
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