全ての医師が働き続けられる仕組みを作る
~日本医師会副会長 松原 謙二先生~ (後編)

一対一の医療補助者

――そうした事態を防ぐためにも、医師の負担を軽減し、効率よく働くことができるような体制を整えていく必要があるということですね。

松:そうです。具体的には、現状は伝票の処理や紹介状の整理など、医師が事務的な仕事に割く時間が多すぎると感じます。もし、これらの事務的な業務を他の職種の方に任せることができれば、医師は医師にしかできない業務に専念することができるようになります。
理想としては、勤務医一人につき一人の医療補助者がつくような形が望ましいと思います。医師だけで仕事をしていると、その医師しか知らない情報が多くなり、他の医師が代わりに対応するということが難しくなります。しかし補助者の方に情報を共有しておくことができれば、他の医師が補助者から情報を得て、仕事を補いやすくなります。このような状態をつくることができれば、例えばお子さんが熱を出して帰らなければならなくなっても、他の先生に仕事を頼みやすくなります。
医師一人につき一人の医療補助者をつける。これが制度として実現され、当たり前になるような形にできれば、女性医師だけでなく全ての医師が休みを取りやすい、余裕のある勤務環境が実現できると考えています。

解決策の実現に向けて

――そのような解決策を実現していくために、日本医師会は何をしていくのでしょうか。

松:中医協(中央社会保険医療協議会)で「こういう制度に診療報酬をつけることが必要なのではないか」と提言したり、厚生労働省衛生局や保険局と議論したりして、制度化できるように尽力しています。中長期的には、どこかの病院でモデル事業としてこの制度を導入していただいて、実施した結果どう変わったのかをデータとして提示することができれば、制度化への大きな指針とすることができるのではないかと考えています。
国の打ち出す大きな医療政策も大事ですが、もっと現場に寄り添った視点で、勤務医の先生方がどうしたら楽になるのかを考えるのも、私たち日本医師会の仕事です。医師を代表する団体として、マクロな視点とミクロな視点の両方をもつことで、女性医師だけでなく全ての医師が働き続けやすい仕組みを作っていきたいと考えています。

 

女性医師支援センター広報冊子「女性医師の多様な働き方を支援する」・
DVD「女性医師のキャリア支援」紹介

女性医師の多様な働き方や生き方を紹介し、応援していくことを目的とした冊子・DVDです。自らのキャリアを考える材料とするのはもちろん、勉強会などの教材としても利用できます。利用をご希望の方は、女性医師支援センターWEBのお問い合わせ先よりご連絡下さい。
URL:http://www.med.or.jp/joseiishi/inquiry.html

「医師になる」ということ。 読者アンケートはこちら