FACE to FACE

interviewee 古川 祐太朗 × interviewer 古賀 俊介

各方面で活躍する医学生の素顔を、 同じ医学生のインタビュアーが描き出します。

furukawa

古賀(以下、賀):古川さんは、医学生と高齢者の交流の場をつくり、高齢者の健康増進を支援する学生団体、SCS(学生地域交流の会)の代表をしていますよね。この活動を始めたきっかけを教えていただけますか。

古川(以下、川):僕は熊本で生まれ東京と海外で育ったのですが、本籍は高齢化が進む宮崎県串間市という所なんです。超高齢社会を迎える今後、リタイア後の両親が田舎で安心して暮らすために、自分は何ができるだろうかと考えていました。そんな大学3年生の頃、高齢者が茶話会や軽スポーツなどを行うイベントに参加する機会があったんです。イベントを通じて高齢者と交流していると、孤独死を防止したり認知症患者と共生するためには、こうした生活の場に医療者自身が入り込んでいく必要があると考えるようになりました。その足がかりとしてまずは医学生が高齢者と交流する場を設けようと思い、SCSを立ち上げました。しかし、見ず知らずの学生がいきなり話をさせていただくのは難しいので、僕たちは社会福祉協議会の協力を得ながら、高齢者との信頼関係を築いていくことにしました。現在は「高齢者ふれあいサロン」という集会で健康講座をやったり、医師には相談できない悩みを聞いたりしています。

賀:地域で暮らす高齢者の健康を守るためには、どうすればいいのでしょうか。

川:高齢者を、その地域全体で「見守る」ことでしょうか。例えば認知症についても、徘徊があったら、「ここのおばあちゃん戻らんね。」というように、身近な人が気にかけられるのがベストです。またサロンに来なくなった高齢者は、認知症の症状が進行してしまうことが多いようです。外に出たがらない高齢者にサロンへ参加してもらうためには、近所の人に声をかけてもらうのが一番なんです。今後は、自分たちの住む地域の健康は自分たちで守っていくスタンスが必要だと思います。

賀:活動をしていく際に気をつけていることはありますか?

川:学生主催のイベントって、「打ち上げ花火型」で、最初は派手にいろんな活動をするけれど持続していかないことが多いと思うんです。でも、去年は学生が来てくれたけど今年は来ない…となると、高齢者もがっかりしてしまいます。ですから、まずは関心のある学生を継続的に呼び込む仕組みをつくり、活動を持続可能な形までもっていく必要があると思っています。

賀:今年度からSCSの活動が大学に認められて1年生の実習プログラムに取り入れられたことで、今後より多くの学生に活動を知ってもらえそうですね。

川:そうですね。今後は佐賀市内にある約200か所のサロンに、佐賀大学の1年生が参加することになります。こういう活動を自分たちだけで持続させていくのは非常に難しいことなので、大学の協力が得られたのは大きな成果だと思います。

賀:今後の活動の展開について教えて下さい。

川:いわゆる限界集落で、医学生と農家の高齢者との交流を計画しています。農家の方は高齢になっても現役で忙しく、サロンに参加されないんです。そこで、水路の掃除や草刈りをするときに、お手伝いという形で学生が交わってみてはどうかと考えています。自由な立場の学生が集落へ入っていって、そこで何が必要とされているのかを調べ、もし自分たちができないことであれば行政へ働きかけるのが、今後の活動モデルになるんじゃないかと考えています。

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interviewee 古川 祐太朗(佐賀大学4年)
1991年生まれ、幼少期をイギリス、中学・高校時代をアメリカで過ごす。佐賀大学学生団体SCS(学生地域交流の会)代表。第35回佐賀大学医学部学園祭実行委員長。「医療にとどまらず様々な分野に興味があります!SCSの活動に興味を持たれた方はFacebook(Yutaro Furukawa)にご連絡下さい!」


interviewer 古賀 俊介(佐賀大学1年)
尊敬する先輩から話を聞かせていただき、嬉しかったです。幅広い人間関係から導き出した深い考え方、地域社会への貢献に目を向けるうえでの視野の広さに感銘を受けました。今回お話しいただいたことを、今後に活かしていきたいと思います。(古賀)

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