10年目のカルテ

生涯、臨床医として患者さんと直接関わっていたい

【消化器内科】橋本 神奈医師
(宮崎大学医学部附属病院 第二内科)-(後編)

患者さんとの会話を大切に

―― 現在、日々の業務はどのような内容ですか?

橋:外来の患者さんはほとんど持っていないので、入院患者さんに主治医として関わるほかは、ほとんど外来・入院患者さんの内視鏡検査をしています。

私は患者さんとお話しするのが好きで、検査でしか関わらない患者さんとも仲良くなるのが得意だと思います。体にカメラを入れるとなると、やはりみなさん緊張されるので、少しでも気持ちを和らげるため、いろいろ声をかけています。そこでおしゃべりした結果仲良くなって、病院の廊下で会ったときに挨拶したり、「最近調子はどう?」みたいな話をしたりということもよくあります。

外来の患者さんの診察にも、比較的時間をかけています。消化器内科にいらっしゃる患者さんは不定愁訴が多いのですが、体調が悪くて来ているのに、医師に「どこも悪くありません」と言われたら、普通納得できないですよね。頭ごなしに否定するのではなく、「ちょっと調子が良くないようですが、薬でちゃんと治りますよ」と患者さんが安心できるようにお伝えするようなコミュニケーションも大切だと思っています。

宮崎に根付いた医師として

―― 今後のキャリアについてはどのようにお考えですか?

橋:私にとって診療は生活の一部のようなもので、職場に行きたくないと思ったことは一度もありません。患者さんに「また主治医になってね」と言われたりすると本当に嬉しいですし、生涯臨床で、患者さんと関わり合っていたいと思っています。

宮崎で働くことにこだわるのは、一人娘なので、いつかは両親の介護を引き受けなければならないと思っているからというのもあります。もちろん、地域の医療を良くするためには、外に出て行って技術を持ち帰るという考え方もあると思います。私自身、都会に出たり留学したりして高度な技術を身につけたいと考えたことがなかったわけではありません。でも、例えば東京や海外で家庭を持つことになって、地元に戻って来られなくなるというような可能性を考えると、地元で働き続けるのが一番ではないかという結論に達したんです。

――様々なライフイベントを想定したうえで、働き続けるための現実的な方法を考えているんですね。

橋:そうですね。今は1日12時間以上働いていますが、結婚して子供ができたりしたら、それを続けるのは難しい。でもその時は週に何回か関連病院でアルバイトをするというような働き方にシフトするのもいいかなと思っています。件数は多いですし、非常勤でも私の好きな内視鏡検査は続けられると思うんです。ここの医局には女性が多いので、そういう働き方もあるんだということを、私が前例として示すことができたら意味があるかなと考えています。

橋本 神奈
2007年 鹿児島大学医学部卒業
2015年4月現在
宮崎大学医学部附属病院 第二内科
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