日本医学会の取り組み
医療チーム 学生フォーラムの歩み(前編)

歴史ある日本医学会総会初の取り組み!

日本医学会は、122の主だった医学系学会を分科会に持つ、わが国の学会活動の中心を担う学術団体であり、日本医師会に置かれています。
日本医学会総会初となる学生発表を行った「医療チーム 学生フォーラム」の2年半にわたる活動を紹介します。

日本医学会総会とは

日本医学会総会は1902年に始まり、以降4年に一度開催されている総会です。

第29回目の開催となった「医学会総会2015関西」では、日本医学会総会の長い歴史の中で初の試みとして、学生だけによるセッションが行われました。

日本医学会総会初の試み

今回発表を行った関西の医・薬・看3学部の学生たちは、2012年から活動を始めました。発足から1年半の間はメンバー間の交流を深め、2014年3月の学生フォーラム春合宿から、各分科会ごとに設定したテーマに取り組んできました。

今回取り組んだ①医療技術の評価、②医療人養成制度、③医療とIT、④医療制度、⑤死生学、⑥在宅医療という実際の現場でもタイムリーな6つのテーマは、学部生には難しいものもありました。各分科会についたチューターと呼ばれる専門家の先生に内容から発表の手法まで幅広くアドバイスを受け、また、医・薬・看護の学生がSkypeなどを駆使して毎週のようにそれぞれの視点から意見を交わすことで、深くテーマを掘り下げてきました。

医療チーム 学生フォーラムの歩み

日時 会合 会場
2012年11月11日 第1回医療チーム 学生フォーラム 京都烏丸コンベンションホール
2013年5月11日 第2回医療チーム 学生フォーラム 京都府立医科大学
2013年6月29日 第1回医療の担い手プロジェクト 京都薬科大学
2013年8月24日~26日 夏合宿2013 滋賀県高島市白浜荘
2013年10月8日 新歓プロジェクト 大阪市立大学医学部
2013年10月23日~24日 NS祭 関西メディカルトーク 京都大学文学部新館
2013年10月30日 第3回医療チーム 学生フォーラム 京都大学芝蘭会館
2013年12月23日 第2回医療の担い手プロジェクト 梅田スカイビル
2014年2月23日 日本医師会今村副会長との交流会 大阪大学銀杏会館
2014年3月15日~17日 春合宿2014 大阪医科大学
2014年5月25日 第4回医療チーム 学生フォーラム 大阪医科大学
2014年8月18日~20日 夏合宿2014 高野山福智院
2014年9月7日 奈良県医師会 学生ポスター発表 奈良県医師会館
2014年9月29日 京都府医師会 学生ポスター発表 京都府医師会館
2014年11月30日 第1回合同分科会 京都烏丸コンベンションホール
2014年12月18日 第1回「今の医療、こんなんで委員会」 京都府医師会館
2015年2月14日 第2回「今の医療、こんなんで委員会」 京都府医師会館
2015年3月1日 第2回合同分科会 京都烏丸コンベンションホール

第29回 日本医学会総会 2015 関西

4/12(日)国立京都国際会館アネックス1にて発表!前日に自主的に行った合同リハーサルでも、妥協しない厳しいコメントが飛び交いました。各分科会は直前まで調整を続け、当日の60分の発表に、2年半の全てを込めました。審査の結果、死生学分科会、在宅医療分科会が最優秀発表に選ばれました!

次回は 2019年開催予定!

日本医学会の取り組み
医療チーム 学生フォーラムの歩み (後編)

学生コメント
日本医学会総会2015関西を振り返って

企画2「医療技術の評価」

和歌山県立医科大学 医学部 池田 奈津子

難解かつ繊細なテーマにメンバー一丸となって全力で取り組んだことは今後様々な場面で活きてくると思います。最高の形で発表を終えられた今、これまで支えてくださった全ての方に感謝の気持ちでいっぱいです。

 

企画2「医療人養成制度」

京都大学 医学部 池尻 達紀

医・薬学部生が現状の教育をどのように受け止めているのか、プレゼンとディスカッションの二本立てで発表しました。医療系学生が教育を自分ごととして考え、教員と議論するような場面が増えることを期待しています!

 

企画3「医療とIT」

滋賀医科大学 医学部 金尾 亮

「医療情報は循環させてこそ価値がある」という結論をチーム全体で導き出せた。発表ではITによる自動化の未来も示した。個性の強いメンバーが噛み合うとすごいものができ、人のつながりの可能性も感じた2年半だった。

 

企画3「医療制度」

神戸薬科大学 薬学部 濱端 綾太

医療制度分科会は高校生に公的医療保険制度を教育する活動を行いました。多くの困難もありましたが、様々な背景のメンバーと最後まで協力して、医学会総会での発表を作り上げることができ非常に嬉しく感じています。

 

企画4「死生学」 ★最優秀発表に選ばれました!

京都大学 医学部 小倉 早奈恵

人が生まれ、死ぬ。そんな単純な事実を扱う死生学だからこそ、難しかった。「先制死生学」という新たな概念と「院外の相談員制度」という新たな制度を学生視点から提案したことで、何か少しでも変われば嬉しく思う。

 

企画4「在宅医療」 ★最優秀発表に選ばれました!

京都大学 医学部 野呂 高之

「多職種連携」と「在宅医療の教育」をメッセージとしました。医薬看のチームで発表を作り上げる過程を通じ、学部間の考え方の違いを知ると共に、発表のキーワードでもある「連携」の大切さを実感させられました。