大学紹介

大阪市立大学

【教育】最先端の医療現場が優れた志を持つ医療人を育てる

大阪市立大学 医学部 教務委員長 分子病理学 教授 鰐渕 英機

藤宮先生大阪市立大学医学部の教育の理念は、「智・仁・勇」を備えた医師を育てることです。医学部学舎の玄関横には、シンボルとしての三女神像が微笑んでいます。医師として高度の医療知識と技術を修得し(智)、それに培われた行動力を発揮し(勇)、そして、最も大事なことは人のもつ悩みや痛みを深く温かく受け入れる心をもつこと(仁)です。

大阪市立大学医学部では、良き医師を育てるために、1年次から積極的に臨床現場での実習を取り入れています(早期臨床実習)。1年次には医学部同窓会の協力のもと診療所実習を行い、2年次には附属病院で医師の仕事の現場を見学し、3年次には附属病院の外来患者に同行し患者さんの立場を体験します。

また、スキルスシミュレーションセンター(SSC)を積極的に活用し、高度な医療技術や診察技術のシミュレーション教育を行っています。さらに、教員立会いの下で、上級生(4年生)が1年生を指導する心肺蘇生法実習が、「Teaching is Learning」の理念で行われています。

一方、国際交流にも積極的で、学生の海外での基礎修業実習や臨床実習に対して支援がなされ、年間30名程が海外での実習を経験してきておりますし、海外からの学部学生の受け入れのための提携も数多く結ばれ、年間50名近くの学生が海外から来ています。

さらに、将来の基礎医学研究の担い手を育てるために、基礎大学院へのMD-PhDコースを新設し、学部のうちから一定の大学院の講義を受講するとともに基礎研究室で研究生活を送れるような体制を整えました。

このようにして、学生が世界を経験してグローバルな視点をもつこと、研究心を持つこと、そして医師としての仁心を育むことを期待しています。

【研究】都市型疾患に挑む医学研究

大阪市立大学 大学院医学研究科 細胞機能制御学 教授 広常 真治

大阪市立大学・大学院医学研究科では「智・仁・勇」の基本理念のもとで、人のもつ悩みや痛みを受け止めることができる深く温かい心をもち、高度な医療を実践する人を育てることを目指します。また研究面では最先端の創造的な医学研究を達成できる、世界的に活躍する研究指導者を育成しています。本学における研究の特徴は国際都市大阪の疾患構造に即しているという点にあります。大都市は24時間動き続けており、多くの人が慢性的な疲労の問題を抱えています。疲労は、これまでは「休めば治る」と考えられていましたが、 生活習慣病・がん・循環器疾患・感染症・アトピー等のアレルギー疾患等、様々な病気の前兆です(未病概念)。本学ではCOEを中核とした研究から、疲労のメカニズム解明・疲労克服への取り組みを推進して高い成果を上げています。さらに、本学の特徴として脳研究に従事している研究者が多いことがあり、脳研究センターを立ち上げ学内研究の統合とさらなる対外研究展開を進めています。

また、関西国際空港は国際交通の拠点となっており、様々な海外の感染症が国内に入り込むリスクがあるため、本学は感染症学研究のフロンティアとして研究を進めています。そのため、刀根山結核研究所・寄生虫学教室など全国的にもユニークな感染症講座を持っています。

そして、将来の研究医を目指す学生の教育・研究参加にも精力的に取り組んでおり、基礎医学教育の終了時に修業実習を行っています。修業実習では学部学生を基礎医学講座に配属し、一定の期間医学研究に取り組ませる伝統を続けています。さらにMD-PhDコースを新たに設立し、学部学生の時期から医学研究により積極的に取り組み、最先端の創造的な医学研究を達成できるリーダー創出を目指しています。

【学生生活】体系的なカリキュラムのもと、都市型地域医療の担い手となる

大阪市立大学 医学部 3年 石塚 卓也・南野 結衣
同 4年 小松 慶也・仲尾 有美

石塚:大阪市大では、1年次に看護師に同行するEarly Exposure、2年次に医師に同行するSecond Exposure、そして3年次に初診の患者さんについて回るThird Experienceと、医療現場を早期から体験する実習が体系的に用意されています。

南野:私は小児科クリニックに行ったのですが、先生が子育ての相談に乗っているのを見て、町のお医者さんのイメージが持てました。

小松:次に特徴的な授業として、話の聞き方やプレゼンの仕方を改めて学ぶ医学コミュニケーション論が挙げられます。診察の場面で患者さんとどうお話しするか、病名を告げる時にどんな風に言うか、などをテーマにしてロールプレイを行います。明確な正解がないものなので、議論のしがいがありました。

仲尾:学生の8割くらいは大阪府出身者だと思います。大阪市立の大学ということもあり、都市部の地域医療を支えることが求められていると感じます。授業のなかで「大阪市の患者さんが医師に求めることは何だろう?」というテーマで議論しました。「ユーモアは必要やろう」という意見も出ましたが(笑)、私たちは市の予算で養成される医師なので、大学で身に付けたことを市民のみなさんに還元しなければという意識がありますね。

南野:大阪市大のある天王寺という街は、ひと言で言うと「下町やけど頑張ってる街」というイメージです。古いお店も多いですが、日本一の超高層ビルである「あべのハルカス」ができたことで、街全体が綺麗になりました。梅田だと、ちょっとオシャレして行かないとだめな気がするけど、天王寺だったら普段着でもいいかなって思える空気感は楽ですよ。

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