医学生 × 一般学生 同世代のリアリティー

大学生のレンアイ事情 編-(前編)

医学部にいると、なかなか同世代の他分野の学生との交流が持てないと言われます。そこでこのコーナーでは、医学生が別の世界で生きる同世代の「リアリティー」を探ります。今回は「大学生のレンアイ事情」をテーマに、他学部の学生3名(学生A・B・C)と、医学生3名(医学生D・E・F)の6名で座談会を行いました。

今回のテーマは「大学生のレンアイ事情」

他学部生のレンアイについて話を聞いてみると、医学部生とは事情が違う部分もあるようです。しかし、話を進めていくうちに両者の共通点も見えてきました。

社会人とのレンアイ

学A:僕は文学部の4年生です。今ケーキ屋の店長さんと付き合っています。

学B:僕は薬学部の4年生です。今まで大した経験はありませんが、リクラブというか就活で知り合った相手といい感じになったことがありました。

学C:私は今大学院の1年で、政治について勉強しています。留学している時は付き合っている人がいましたが、今付き合っている人はいないです。

医D:ケーキ屋の店長さんとはどこで知り合ったんですか?

学A:彼女が働いているデパ地下で、以前僕もアルバイトをしていて。閉店後に働いている人同士話したりしているうちに仲良くなって、付き合い始めました。

医F:学生でない人と付き合うと、学生同士で付き合う場合と比べて、価値観とか色々と違うと思うんですけど、何か感じることはありますか?

学A:彼女が平日休みなので、自分のスケジュールを合わせるようにしていますね。あと、実は彼女は年下なんです。同じ年齢の友達が大学に通って遊んだりしているなかで彼女は仕事をしているから、僕が立て続けに飲みに行ったりすることを、あまり良く思わないみたいなので、そういうところは気を遣っています。

生活リズムと立場の違い

学A:一時は同棲もしていたんですけど、解消しました。

医E:まだ付き合っているのに、なぜ解消したんですか?

学A:まず同棲のきっかけから話すと、彼女の昇進と異動が急に決まったんですね。それまで実家から通っていたけど、ヒラから店長になると仕事も大変になるし、実家から通うのも大変だったんです。本当に急に内示がでたから、家を探す時間もなかった。だから彼女が家を探すまでの間、自分が一人暮らしをしていた家で4か月くらい同棲しました。今は別々に住んでますけど、まだ付き合いは続けています。

医E:そのまま一緒に住み続けようとは思わなかったんですか?

学A:間取りの問題があって。うちは1Kだったから、学生と社会人の生活リズムの違いの影響がすごくて。彼女は仕事をしていて夜はきちんと寝たいだろうから、自分は暗い部屋でライトを付けて勉強していました。その後自分の勉強が終わって、今度は自分が寝て、できれば朝9時くらいまで休んでいたいと思う。でも彼女は朝5時に起きて準備しないと間に合わないから、ドサドサ動き始める。仕方ないことだったんですけど、ストレスになっちゃいましたね。一緒に暮らすうえでは、生活リズムが違うと大変なこともあると学びました。

医D:付き合う相手との立場の違いの影響ってありますよね。私は最近まで幼なじみと付き合っていたんですけど、彼は医学部志望で浪人していました。予備校探しとかアドバイスしたことがきっかけで付き合い始めて、最初は彼の受験を応援する感じでした。でも私と彼は別々の立場で、考え方も違ったんです。彼は予備校の授業時間があまり長くなくて、飲み会とかもないから私に会いたいって言ってくる。けど本当に勉強しないと医学部には受からないから、私はもっと真剣に勉強してほしいみたいなことを彼に言っていたら、二人の間が上手くいかなくなってきて。

あと、私自身試験期間には切羽詰まっちゃうんです。1つのことに集中しちゃう性格だから、通学の電車でも勉強したいし、連絡をとる時間も作れなかった。彼は浪人生特有の不安を抱えていたこともあって、連絡ができないことでどんどん不安が増してきちゃって。それをぶつけられて、私も今それどころじゃないと思っちゃったんですよね。

同世代


医学生×一般学生 同世代のリアリティー

大学生のレンアイ事情 編-(後編)

コミュニティの広がりとレンアイの変化

医D:さっきからリクラブの話が気になっているので、ぜひ教えてください。そもそもリクラブという言葉を今初めて知ったんですけど、就活で出会った人との恋愛ってどんな感じなんですか?

学B:まずリクラブについて説明しますね。就活では企業説明会や選考に参加するじゃないですか。そこでグループワークやディスカッションを通じて仲良くなった子と、「じゃあ、今度飲みに行こうか」みたいになっていくんですよ。

医D:へえー、そうなんだ。

学B:僕の場合は、内定者の懇親会で仲良くなって。結局そこの企業は内定辞退したんですけど。さすがに就職先の同期と恋愛関係になるのは気が引けるけど、辞退するところの内定者だったらまだいいかなって。

学A:なんだか大学に入った後、出会いって増えたなと思います。コミュニティが学校だけじゃなくなって、他大学とのインカレサークルとかアルバイト先とかどんどん広がっていった。

学C:高校の時よりも気軽に付き合えるようになりました。高校の時はコミュニティが1つだけだったから、付き合ったり別れたりすると、いつの間にかみんなに知られちゃう。でも大学とかサークルとかで別れても、別のコミュニティの人にすぐ知られるということはないし。とりあえず付き合ってみるか! みたいな。

学B:自分も高校までは誰と付き合うかはデリケートな問題だと思っていて、相手を慎重に選んでいたなと思います。別れた後に、自分とも彼女とも仲が良い友達からめっちゃいじられたりするから。でも大学に入ってからはあっさりと付き合えるようになりましたね。周りにも気軽にいろいろな人を見てみようか、という人が増えた気がします。医学生はどうですか?

医E:医学部の世界って、狭いんですよね。同じ学年の他大学の医学部の人に、自分の大学と学年を話したら、必ず1人は共通の知人がいる。

私の同級生は、同じ医学部の同学年同士で付き合っている人が多くて。実は私は元カレも今カレも医学部の同級生で。幸い元カレと今カレが特に親しくなくて、あまり話したりしない仲だから支障はないですけど。

医D:医学部以外に出会いがないわけではなくて、医師以外の社会人のグループと合コンしたこともあります。でも医学部のことを話してもなかなか分かってもらえなくて、本当は平日ずっと授業で埋まっているけど、学生だから暇でしょ? って言われて。医学部出身じゃない人と付き合う場合は、特有の事情を理解してもらうまでに時間がかかるかなと思います。

医F:僕の彼女も僕と同じ医学部4年生ですね、大学は別ですけど。他大学でも基本的なカリキュラムは同じだから、臨床実習が始まる前の試験をお互いに競いあったりしています。

医E:お互い助け合えるのはいいところなのかもね。

結婚を意識するタイミングと周囲の結婚

医F:今の彼女からは、結婚についての話も出たりしているんです。自分も意識するようになってきたんですけど、みなさんはどうですか?

学A:やっぱり就職について考え始めると、自分の仕事とプライベートの兼ね合いとか考え始めますよね。就職するところを決める時は、どこに住むかも考えなきゃいけないじゃないですか。自分はどこに住んでもいいと思っているタイプだけど、彼女はどう思っているのかなとか、考えますね。

学C:私はまだ考えていないですけど、私の周りにはいます。同じ大学院に通う友人は、今付き合っている彼女と多分結婚するけど、ポスドクだと収入がなかなか安定しないという理由で、就活を始めていますね。

学B:僕は本当に最近だけど、結婚について考え始めました。内定をもらってこの会社で骨を埋めるんだろうなと思って、内定先の先輩社員を見てみると、このぐらいの時期に結婚するのか、というのが少し見えてきた。

あと高校の同級生が最近結婚したと聞きまして。その子は親友の元カノだったんですよ。ああ、そろそろ結婚し始める年齢かと感じましたね。

医D:医学生の場合は他学部生のような形式での就職活動はないけれど、医学部を卒業した後に臨床研修というステージが待っている。今医師になって3年目の先輩は、大学2年生の時から他大の医学部の人と付き合っていて。将来この人と結婚するだろうな、ということを見据えて女性の働きやすさを考慮して臨床研修先を選んだそうです。

また、少数ですけど学生結婚する人もいます。在学中に妊娠した場合は、休学制度を活用していますね。私が見た限りだと長く休学する人はまれで、直前まで学校に通ったり、研修を受けて、極力早めに復帰しようとしている印象を受けます。

医E:大学の同級生には、まだ結婚について具体的に考えている人はいないです。みなさんの話を聞いていると、身近な人の結婚を聞くと少しリアリティーをもって考え始めるんじゃないかと思いました。

医F:他学部の人の恋愛の話を聞く機会に今までなかなか恵まれなかったんですけど、社会人の彼女との同棲とか、コミュニティが違う人との恋愛とか、興味深い話が多かったです。本日はありがとうございました。

※この記事は、今回お話を聞いた学生の話にもとづくものです。

 

No.15