患者家族 NPO法人ハート・リング運動
早田 雅美さん

患者の主たる介護者として

今回お話を伺った早田雅美さんは現在、認知症をもつ母親を在宅で介護しています。

「医療のプロである医師と、患者を誰よりもよく知る家族が協力し合うことで、より良いサポートができると思うので、医療者とは積極的にコミュニケーションをとりたいと考えています。

在宅で介護するにあたって、母ができるだけ今までと変わらない生活を送れるように手助けすることを心がけています。外食、買い物、趣味の美術館めぐり、社交ダンス、さらに海外旅行にも連れて行っています。」

患者・家族をチームの一員に

認知症をもつ家族を海外旅行に連れて行くには、医師の協力が不可欠でした。

「要介護5、認知症、徘徊もある80歳以上の高齢者を海外に連れて行きたいなんて言ったら、『無理だ』と言う医師も少なくないと思います。でもそのときの主治医の先生は、英語で診療情報提供書を書いたり、フライト時間を考慮した薬の出し方を一生懸命考えてくれました。本当にありがたかったです。その先生は日頃から、患者や家族に、治療のメリットもデメリットも全部話してくれるような先生なんです。

今まで色々な医師と話してきましたが、残念ながら、治療について納得いくまで説明がなかったり、治療に関して患者本人や家族が口を挟める雰囲気じゃないな…と感じたことは、正直なところ、少なくありません。医師がとても忙しいのは百も承知ですが、説明してもらえないと、患者や家族はインターネットで得た不確かな情報を鵜呑みにしてしまったりする。それで『あの先生わかってないんじゃないの』なんて陰口を言っていたり…。お互いが一生懸命やっているのに、コミュニケーションの齟齬によってそういう軋轢が生まれるのは残念ですよね。」

患者・家族の医療知識や、医療や介護へのかかわり方や程度はそれぞれです。しかし、まずは参加者として迎え入れるという選択肢を、医師側から提示してもらえないと、患者や家族としてはかかわりようがないのが現状です。

「医療的なことは医師が一番よく知っていると思います。一方、患者本人の今までの暮らしぶりや、今後の暮らしについての本人の希望は、家族が知っていることが多いでしょう。その両者が協力し合えば、患者本人にとって、より良い医療につながると思うんですよね。

だからまずは、私たち家族や患者本人も『チーム医療のパートナー』だと思って、門戸を開いてほしい。それが、最初の一歩になるんじゃないかなって思っています。」

 

 

「医師になる」ということ。 読者アンケートはこちら