10年目のカルテ

一生をかけるなら、難しいほうがおもしろい

【血液内科】細羽 桜医師
(滋賀医科大学医学部附属病院)-(前編)

骨髄移植に魅せられて

奥田先生

――先生はどうして血液内科に入局されたのですか?

細羽(以下、細):臨床研修で最初に回ったのがたまたま血液内科だったんです。そこで、化学療法では治らなかった白血病が骨髄移植で治ったところを目の当たりにして、人の力ってすごいな! って思って。化学療法は医療者だけで成り立つけれど、骨髄移植はドナーの方がいないと成り立たないですよね。骨髄移植の効果に驚いたのはもちろん、人の善意があって初めて成り立つ「移植」という手法に心を動かされましたね。

――血液内科とは、どのような診療科なのでしょうか?

:血液内科は白血病や悪性リンパ腫などの造血器腫瘍、貧血や血小板減少などの血球の異常、凝固・線溶系の異常などの診療を行います。血液内科医はこれらに対して化学療法や骨髄移植などの造血幹細胞移植、放射線治療を行います。

血液内科の特徴は、一人ひとりの患者さんを、最初から最後まで診られることです。たいていの内科だと、ここから先は手術だから外科に、というように引き継ぎますが、血液内科では、移植や放射線治療も、術後の全身管理も、全て自分たちで責任をもって行います。血液内科の患者さんは、抵抗力が落ちて感染症にかかりやすいのですが、そういうものも含めて全てを診ます。

――患者さんとの関わりが深くなりそうですね。

:そうですね。血液内科で行う治療は、入院期間が終わって外来に移っても、フォローを続けることになります。病気にもよりますが、最初の治療におおよそ数か月要し、その後もう再発しないだろうと言えるまで5年はかかるんです。かなり長いお付き合いになりますね。一人ひとりの患者さんと、根気よく丁寧に関わりたい人に向いている科だと思います。

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