グローバルに活躍する若手医師たち

日本医師会の若手医師支援

JMA-JDNとは

Junior Doctors Network(JDN)は、若手医師(卒後臨床研修医で専門医研修未修の医師)の国際的組織です。JDNは、世界中の若手医師が情報や経験を共有し、未来の医療を考えて行動するための画期的なプラットフォームです。日本医師会(JMA)では、2012年10月、国際保健検討委員会の下にJMA−JDNを立ち上げました。これまで若手医師の集まりは学会や医局など既存の枠組みの中でつくられてきました。JMA−JDNは、多様な若手医師がそれらの枠組みを超え、公衆衛生や医療分野において自由に議論し行動できる場であると考えています。今回はJMA−JDN代表の阿部先生が参加したCMAAO総会のレポートをご紹介します。


CMAAOとは

アジア大洋州医師会連合(CMAAO)は、1956年、アジア大洋州地域の医師の交流の促進及び国際機関との関係の確立・情報交換などを通じて、地域住民の保健水準をより一層向上させていくことを目的に、日本医師会が中心となって設立されました。世界医師会(WMA)の地域医師会連合として、WMA内におけるアジアからの発言力の強化を図っています。

アジア大洋州地域のJDNを盛り上げる

日本医師会ジュニア ドクターズ ネットワーク(JMA-JDN)代表  阿部 計大

2015年9月23日から25日にかけてアジア大洋州医師会連合(CMAAO)総会がミャンマーのヤンゴンで“Food Safety”をテーマに開催され、加盟18か国中14か国医師会が参加しました。

まず、各国の“Food Safety”の現状報告がなされました。WHOはWorld Health Day 2015として“Food Safety”のキャンペーンを行い、様々な食品汚染により200以上の病気が引き起こされ、世界中で毎年200万人が亡くなっているという衝撃的な事実を報告しています。日本では当たり前のように水道水が飲めて、食品は安心して食べられますが、多くの国々ではそうはいきません。飲食物中の細菌や寄生虫、鉛、水銀、ヒ素、ダイオキシンなどの化学物質が大きな問題になっており、各国医師会では国と協力してガイドラインの作成や法整備等対応に追われています。私たちは日本の素晴らしい衛生状態に感謝しなければいけません。そして、最も大切なのは、国民一人ひとりが手洗いやうがいを心がけ、食品の加熱や保存方法について学ぶことであり、それらが積み重なって各国の文化として根付いていくことなのだと思います。

Country Reportでは各国の医療問題が報告されました。インドネシア医師会はテレビ局を開局して、国民に蛋白質摂取を促す「100万個の卵プロジェクト」の実施や禁煙活動などを報告しました。その他、TPP協定、中東呼吸器症候群(MERS)、難民の医療アクセス問題等、どのトピックもその国の医療事情を反映した興味深いものばかりでした。

今回のCMAAO総会にはフィリピン、ミャンマー、日本の3か国から3名の若手医師が参加しました。少人数でしたが、各国の若手医師の近況を共有し、アジア大洋州には地域独自の若手医師を取り巻く問題があるように感じました。そのような問題に対して声をあげていくためにも、今後当該地域のJDNを構築していくことを検討しました。

CMAAO総会はWMA総会とは異なり、懇親会で一緒に歌い踊り、Gift交換をし、写真を撮り合うなど楽しく心を通わせることができる慣習があります。

来年2016年のCMAAO総会は9月にタイで行われる予定で、WMA総会も10月に台湾で行われます。アジア大洋州地域にとっては良い機会だと思っています。アジア大洋州地域のJDNを盛り上げていきたいと思います。

阿部 計大
北里大学卒。手稲渓仁会病院で研修後、東京大学大学院公衆衛生学教室に在学中。
家庭医療専門医。認定内科医。産業医。

 

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