大学紹介

東邦大学

【教育】健康医療を先導する医療人を育成

東邦大学 医学部長 高松 研

先生

東邦大学本学部では、建学の精神である「自然・生命・人間」を礎に、人間愛に満ちた「より良き臨床医」の育成を目標としています。10年後、20年後の高齢化成熟社会における医療の質の転換を念頭に、人間的な温かさと高い実践能力を持ち、健康医療を推進できる人材育成を目指しているのです。本学部教育の最大の特色は、6年間を通じて「全人的医療人教育コース」を設定し、修得知識と技能レベルに応じたキャリア教育により目的意識と学習意欲を啓発し、人間的な温かさと協調性と倫理観の涵養に努めていることです。さらに2016年度の新入生から、「世界基準に則った新カリキュラム」を実施します。1年次から準備教育と基礎医学の融合カリキュラムを開始し3年次には臨床医学系統講義を修了します。共用試験を3年次末に実施し、4年次から臨床実習、5年次には必修、6年次には選択制の診療参加型実習を行います。これらには診療所や中核病院での地域医療実習が必修で組み込まれています。また6年次には3か月間の海外臨床実習も可能です。「科学的探究心の涵養」のため、6年間を通じて基礎・臨床医学講座・研究室への自由なアクセスを可能にしており、卒業論文は必修です。大学院講義の先行履修制度も導入しています。「生涯学習能力の向上」のため、教えながら学ぶ屋根瓦テュートリアルを実施、eラーニング環境を整備しています。「グローバル化への対応」として、1年次から臨床医学英語を拡充し、4年次末にはEnglish OSCEを実施。さらに、CSAコースを置き6年次の海外臨床実習をサポートしています。「サポート体制」として、メンター制で学生の動向を把握し、修学支援センターが学習面、健康推進センターが心身の健康をサポートします。自然と人間を愛し、医療で社会に貢献しようとする意欲溢れるみなさんと共に学べますことを心より待ち望んでいます。

【研究】個々の能力を発揮できる研究環境

東邦大学 医学部 総合研究部部長 教授 盛田 俊介

東邦大学大学院医学研究科は、広い視野から医学に関する高度な研究を展開し、その深淵を極めて、社会の幅広い要請に応えられる優秀な人材を養成することを目指しています。博士課程には、代謝機能制御系・高次機能制御系・生体応答系・社会環境医療系の4つの専攻分野があり、それぞれはさらに細分化され、独自に研究が行われています。平成20年度、私立大学戦略的研究基盤形成支援事業に「感染症・免疫難病の先進医療技術開発」が採択されたのを機に、共同実験施設である先端医科学研究センターが設立されました。医学部教員や大学院生などが自由に利用でき、若手研究者が活動しやすく研究成果が上がるよう、多彩な研究支援を行っています。加えて、学事統括部ならびに産学連携本部支援の下、公的競争研究資金の獲得や産業界との共同研究を推進し、先端的かつ独創的な研究に基づく病態解析と治療技術開発を行っています。2010年4月に設置された「感染・免疫部門」は、重症化する髄膜炎の感染発症機序と乳幼児に多発する川崎病の解析を、2012年7月に新たに設置された「組織修復・病態制御学部門」は、脂肪組織、結合組織や中枢神経における組織修復に関わる因子の研究を行っており、基礎系と臨床系の研究者がともにディスカッションしながら、難病に対する新たな治療法の創製を目指しています。現在、いっそう多様化する研究課題にも対応可能なセンターとなるべく、ハードとソフトの両面からの再構成が進行中です。また本学では、前身の帝国女子医専以来女子の医療・生命科学教育に積極的に取り組んでいます。この伝統は全学に跨る組織である男女共同参画推進センターに引き継がれ、女性研究者が出産・育児・介護などのライフイベント中でも安心して研究活動を継続できるよう、研究環境の整備を進めています。

【学生生活】学生目線のカリキュラムで学び、良き臨床医となる

東邦大学 医学部 5年 岩﨑 友哉

東邦大学の特徴は、学生の意見を聴いたうえで、カリキュラムづくりが行われていることです。毎年7月、先生と学生が参加する泊まりがけのワークショップが行われます。今年度で36回目になるこのワークショップでは、大学での教育のあり方や授業の具体的な内容について率直な意見交換が行われます。

また、既存のカリキュラムだけではなく、2016年度以降導入予定の新しいカリキュラムについても学生の意見が反映されます。各学年の代表の学生とカリキュラム作成担当の先生方が参加する学生教育委員会を定期的に開催し、臨床実習をより充実させるとともに、必要な医学知識をより効果的に学んでいくためにはどのような教育課程が良いか、学生と先生が一緒に考えています。このように、長年学生の意見を取り入れながら練り上げられてきたカリキュラムは、臨床の現場で通用する能力を養うことを重視しています。全人的医療教育の授業では、挨拶の仕方など患者さんや同僚に対してのマナーから個人情報の取り扱いまで、医療に携わる人に必要なリテラシーを扱っています。

東邦大学には大森・大橋・佐倉の3つの医療センターがあり、現在私はこれらの病院を回り臨床実習を行っています。そのなかでも、救急科での学外実習が強く印象に残っています。消防署に伺い、出動要請を受けた救急救命士さんに同行し、救急車で実際に患者さんを運ぶ様子や、病院に運んだ後に処置を行う様子を見学させていただくというものでした。1日だけの実習でしたが、病院に患者さんが搬送されてくる実際の病院前救護の様子を目の当たりにし、視野の広がりを感じました。

とても風通しがよく充実した環境で学べるので、将来臨床医を目指したいという人にはぜひおすすめしたいです。

東邦大学
〒143-8540 東京都大田区大森西5-21-16
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