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医学生のみなさんが、いずれ通る道である臨床研修。臨床実習で所属大学の臨床研修医の姿を目にすることはあるでしょうが、様々な病院で実際にどんな研修が行われているかを知るのは簡単ではありません。そこで今号では、5つの病院の1年目研修医に密着取材し、臨床研修の実際の様子を紹介します。


 

 

医師臨床研修制度の基本理念は、「医師としての人格をかん養し、将来専門とする分野にかかわらず、医学及び医療の果たすべき社会的な役割を認識しつつ、一般的な診療において頻繁に関わる負傷又は疾病に適切に対応できるよう、基本的な診療能力を身に付ける」こととされています(厚生労働省)。2004年に新しい医師臨床研修制度が導入され、必修化されました。アルバイトが禁止されたほか、待遇については以前に比べて大幅に改善されました。

 

 


研修医マッチングでは、期日までに医学生と研修病院がそれぞれ「希望順位表」を提出し、一定の規則に従って組み合わせが決まります。医学部6年生は様々な病院の説明会・見学等に行き、採用試験を受けて10月上旬までに最終的な希望順位を登録することになります。研修病院側も、締め切りまでの間に採用試験・面接等を行い、採用してもよいと考える医学生に順位をつけて登録します。医学生全体の約95%は、マッチングで研修先を決めることができます。

 

 

2010年に医師臨床研修制度が改定され、必修診療科は内科・救急・地域だけになりました。プログラムは柔軟になり、研修医の希望や病院の特色が出しやすいものになっています。臨床研修では経験すべき項目が厚生労働省によって定められており、例えば研修修了までにEPOCというシステムに経験した症例等を登録する形で管理されています。どこで臨床研修を受けても、いわゆるコモンディジーズに対する「基本的な診療能力」を身につけられるよう工夫されているのです。

 


研修プログラムの内容は病院によって異なるほか、自由選択期間の選び方によって経験する内容も多様です。産科・小児・救急・麻酔等の診療科に重点を置いたプログラムもあります。以前は大学病院と市中病院の差が大きいと言われていましたが、最近は「たすきがけ」などの形で、市中病院でコモンディジーズを診る期間を設ける大学病院が増えてきました。しかし病院が地域で担う役割によって患者層は異なるため、実際に足を運んでみないと実態はわからないと言えるでしょう。

 

 

 

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