グローバルに活躍する若手医師たち

世界の若手医師に「伝える力」を学ぶ

JMA-JDN 副代表、WMA JDN Membership Director 三島 千明

ブエノスアイレスで行われたJDNの会議に、日本から参加してきました。日々の目の前の臨床研修や業務に追われる若手医師にとっては、国際的な活動はとても遠い存在のように思えるかもしれません。また言語の壁から、自分には難しい、と感じる方もいるかもしれません。私自身も、国内外の健康問題に関心を持ちつつも、日々の臨床に追われるなかで、とても海外に目を向ける余裕はありませんでした。そんな私ですが、色々な人とつながり、学んでみたいと思い、JDNの活動に参加するようになりました。

JDNの国際的な活動の醍醐味は、様々な国の若手のメンバーや組織のリーダー達と、各国の若手医師が抱える問題を議論し、国際問題やリーダーシップを共に学び合うことです。今回は、ブエノスアイレスでの開催ということもあり、アルゼンチン・ブラジル・ペルー・コロンビアといった南米のほか、アジア・北米・欧州の様々な国々から参加者が集まりました。各国からの最近の若手医師の状況のアップデートや、「Leadership and Method of Advocacy」と題したレクチャーなどが準備され、世界の若手からのインプット、そして自分自身が発信するアウトプットの両方の機会がありました。

私は当初英語で会議に参加することをとても難しく感じていました。しかし、実際には参加する若手のメンバーは英語を母国語としない方々も多く、流暢には話せなくても、伝えようとする姿勢や自分が伝えるものを持つ、自分の意見を持つことが重要だと感じるようになりました。もっとこのネットワークの中で学び、成長したいと思い、今年度からメンバーをまとめる国際役員として活動しています。今回は、南米からの参加者を増やすために、ペルーの若手医師らと連携して広報活動を行うなどの企画・準備に関わりました。

普段は日本で医師として勤務し、目の前の患者さんのことで余裕がない日も多い私にとって、JDNは自国の医療に対する自分の考えを持つこと、自分の考えを世界に伝える力や姿勢を学ぶ場、になっているように思います。

JDNの国際会議は、次回台湾で開催される予定です。海外の若手医師との交流に関心がある方、何かに挑戦してみたい方、ぜひご参加いただければと思います。

三島 千明
島根大学附属病院で初期研修、医療法人北海道家庭医療学センターで家庭医療後期研修を修了。

 

世界から見た日本、日本から見た世界

JMA-JDN地域担当役員 岡本 真希

将来のキャリアプランをどうするか。私だけでなく、医師となり数年が経過した多くの若手医師が経験する悩みだと思います。医学に限らない経験を積んで、人間としても成長したいという思いのなか出会ったのがJMA-JDNでした。国内外の若手医師同士のネットワーク構築を目的としたJDNの活動を通じて、今回ブダペストで行われた欧州日本人医師会青年部会に参加し、実際に海外で働く日本人医師の皆様と交流する機会を頂きました。諸外国と比べて日本の医療の魅力や改善の余地はどこにあるのか。医師として海外で働くとはどのようなものなのか。とても興味がありました。同青年部会では各国の医療事情や社会保障、医師の勤務体制、急性期から慢性期の病院連携、医学教育・患者教育のシステムなど、様々な内容に関しお互いの国の現状を報告し、意見を交換しました。そのなかでも皆の関心が高かったのは、各国の医師の労働環境です。欧州では全般的に長期休暇や産休・育休、当直明けの引き継ぎの制度が整備され、ワーク・ライフ・バランスが保たれている印象がありました。例えばドイツでは年6週間の長期休暇が保障されており、残業代の代わりに休暇を取るそうです。その反面、代診の医師の仕事量が倍になる、産休で人手不足が生じているなどの問題点もありました。また学費や医療費が無償の社会保障が充実した国では、給与の半分以上が税金として徴収されるなど、制度の裏側にある問題点も見えてきました。一番驚いたのは、EU内で共通の医師免許により途中で働く国を変えたり、医学部を転校したりできる制度の存在です。国外にも視野を広げたキャリアの選択肢があることを知り、一気に自分の世界が広がりました。言語や文化の壁を乗り越えて現地で活躍される先生方と出会えたことは、努力を惜しまず患者様のために尽くすという医師としての根本に立ち返るきっかけとなる、かけがえのない経験になったと感じています。

岡本 真希
洛和会音羽病院にて研修後、同病院で心臓内科医として勤務中。学生ACLS, AMSAなどで活動。

 

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