チーム医療のパートナー

横浜新都市脳神経外科病院 齋藤 誠さん

チーム医療のリーダーシップをとる医師。円滑なコミュニケーションのためには、他職種について知ることが重要です。今回は、診療放射線技師の仕事を紹介します。

放射線等を用いた画像撮影・画像処理を行う

チーム医療のパートナー(診療放射線技師)

医師・歯科医師を除き、医療現場で放射線を使用できる唯一の職種が診療放射線技師です。前身として「診療エックス線技師」という資格もありましたが、広く放射線を取り扱う技術者として、昭和43年に診療放射線技師制度が創設され、その後の医療技術の高度化に伴い、診療エックス線技師は診療放射線技師に統合されました。非放射線を用いるMRIや超音波検査なども業務に加わり、現代医療に必須である画像診断を支える資格です。検査室や手術室で行われる画像検査に加え、放射線治療室において、がんなどに放射線を照射する治療にも携わります。今回は、横浜新都市脳神経外科病院・画像診療部の齋藤誠さんにお話を伺いました。

主な仕事は、検査室や手術室で実際に画像を撮影することです。単純X線画像やCT・MRI、血管造影などの方法により、患者さんの臓器を画像化する業務を担当します。検査の際は、患者さんへの説明に特に気をつけているそうです。「よい画像を撮るためには、できるだけ安心して検査を受けてもらう必要があります。検査によっては撮影中に大きな音がしたりする場合もありますから、事前に丁寧に説明しなければ患者さんを驚かせてしまいます。放射線検査は患者さんにとって馴染みのないものですし、不安を取り除くためにも丁寧なコミュニケーションを心がけています。」

また画像技術の進歩とともに、診療放射線技師の仕事の幅も広がってきています。例えば医師が診断・処置をしやすいように撮影画像を処理することも仕事のひとつです。齋藤さんは主に血管造影に携わっており、撮影結果を3次元表示することで、手術のサポートをしているそうです。動脈瘤などの病変を他の血管の陰にならないように見やすく表示させるために、適切なアングルを考えながら画像を加工し、術前に医師に提示するとのこと。撮影のプロだからこそ、画像の見せ方にもこだわります。

成果を感じたら『褒める』医師になってほしい

診療放射線技師の履修科目

技術的に綺麗に画像を撮るだけでなく、医師が診断・処置しやすい画像を見極める診療放射線技師。最後に、どんな医師と仕事をしたいか聞きました。

「基本的には先生の指示で動く仕事ですが、自主的に動ける環境を作ってもらえるとありがたいです。また私たちの仕事が役に立ったと感じたら、そう伝えてもらえると嬉しいです。以前、難しい位置に脳動脈瘤のある患者さんの画像を撮影・処理したことがあったのですが、術前に画像をモニター表示したとき、先生から『見やすい!』と言ってもらえたことはやる気につながっています。みなさんも、成果を感じたら『褒める』医師になってほしいと思います。」

※この記事は取材先の業務に即した内容となっていますので、施設や所属によって業務内容が異なる場合があります。

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