学生が主体性を持って医学教育に参画できる未来へ

運営委員3名の振り返り座談会

今回の交流会の運営に携わった医学生3名が、準備や当日の議論について振り返りました。

広く医学生の声を集める

――皆さんは交流会に向けて、4か月ほど前から、有識者の先生方へのインタビューや医学生へのヒアリングなど、準備を重ねてきました。その過程で、それぞれどんなことを意識していましたか?

今回扱った「医学教育」というテーマ、またその周辺にある課題には、なかなか唯一解は出ないと思っています。そのため交流会では、「結論を出すこと」を目指すのではなく、「議論すること」そのものに重きをおき、これからの医学教育に関する議論の出発点にできる「問い」を皆で見いだせれば、と考えていました。

特に僕のような低学年の学生は、自分の受けている教育というものを意識する機会も少なく、今回のテーマに関心を持つ層もそう多くはなかったかもしれません。けれど、議論の間口を広げ、少しでも思うところがある学生の意見は吸い上げられるように、ということを意識しました。

そうですよね。同学年の医学生の中では、僕たちは医学教育というテーマについて積極的に考え、活動をしている方なのでしょう。だけど、そういった活動をしている学生にしか発言する機会がないというのは、健全ではないと思います。医学生の代表としてではなく、様々な学生の声を集める媒介として機能すべく、準備・運営したつもりです。

事前に医学生のヒアリングをしていても、当日の議論の中でも、「他大学の医学教育について知らない・もっと知りたい」という声を多く聞いたように思います。各大学の教育内容について、もっと気軽に共有できる場があるといいですよね。

他大学の教育について知る機会は、普段はなかなかないですからね。大学を越えた学生同士のネットワークをいかに構築していくかということは、今後の課題の一つだと思います。

今回は、都内の会場で、およそ20人の医学生に集まってもらいましたが、時間や場所の制約上、参加したくてもできなかったという人もいると思います。SNSなどを活用し、もっと気軽に情報交換していけたらいいですよね。

医学教育に強い関心があるわけではない学生でも、そこで発信したいと思えるような工夫ができるといいですね。イベントに参加するのはちょっとハードルが高いという人のためには、Facebookのグループに参加しておいて、自分は見るだけ、というくらいの関わり方もありなのかな、と思います。

より活発な意見交換の場を

大学の先生方にお話を伺う機会があると、「学生の考えていることを知りたい」とよく言われます。けれど、学生はあまりそれにうまく応えられていないというのが現状だと思います。

「自分の考えを言ったところで、それがちゃんと聞いてもらえるのか」「ネガティブな意見を述べたら評価を下げられるのではないか」といった思いがあるのかもしれませんよね。

学生と教員の意思疎通ができていないと、学生から出た意見が教員には伝わらず、更に不信感が高まる…、という悪循環に陥ってしまいます。教員だけでなく、学生自身も環境を変えようという思いを持って、互いに歩み寄っていく必要があるのではないでしょうか。

僕と池尻くんは今年で卒業してしまうので、ぜひ後輩たちに期待したいところです。学生の側から、ボトムアップで医学教育に関する発信を行うような風土ができていったら、素晴らしいことだと思います。

今回、医学生と日本医師会役員の先生方が集まって議論できたことには、すごく大きな意義があったと思います。一方で、一人あたりの発言量が少なくなってしまう、議論がなかなか焦点化されないなど、今後の課題も明らかになりました。今回の経験をもとに、「教員と学生の意見交換の場」として、どういった場づくりが有効なのか――どのくらいの人数で、どんな学生・教員を集めて、どんな議題で行うのがいいのかといったことを、今後も考えていきたいと思います。

今回お世話になった先生方、医学生の皆さん、ありがとうございました!

 

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