大学紹介

名古屋大学

【教育】研究・医療を推進する人材育成

名古屋大学 医学部 ウイルス学 教授 学部教育委員長 木村 宏

先生

名古屋大学医学部はその源を尾張藩校に発し、140年有余の歴史と13,900人を超える卒業生を誇る日本でも最古の医学部の一つであるとともに、21世紀の日本を支える医学・医療の拠点として活動しています。

私たちは、「科学的論理性と倫理性・人間性に富み、豊かな創造力・独創性と使命感をもって医学研究及び医療を推進する人の育成」を教育の基本方針としています。

名古屋大学医学部のキャンパスは二つあり、1~2年次は主に東山キャンパスで、教養教育の根幹をなす全学教育科目の講義・実習を受けます。この期間には、介護や看護の体験実習や、シャドーイングといって現場で働く医師に影のように付き添って医師の1日をつぶさにみるカリキュラムもあります。クラブ活動など課外活動も奨励しており、将来優秀な研究者/医師になるために、人間的な成長も期待しています。3年次からは鶴舞キャンパスで基礎・社会・臨床医学を学びます。3年後半の基礎医学セミナーでは、半年間にわたって研究室に配属され、一流の基礎研究者の指導の下、最新の医学研究を実践します。他大学では類を見ない質の高さ、期間の充実を誇っています。5~6年次はベッドサイドで患者さんに接して実地に臨床医学を学ぶ臨床実習が行われます。一定の要件を満たし、選考試験に合格すれば、海外の提携校で臨床実習を行うことが可能です。近年では年20名以上がジョンズ・ホプキンス大学、デューク大学、ウィーン医科大学、フライブルク大学*など超一流の提携校で実習を行い、貴重な体験をしています。

医学・医療を通じて社会に貢献することに深い使命感を持ち、国際的な視点を持って活動できる若い諸君の参加を願っています。

*フライブルク大学…アルベルト・ルートヴィヒ大学フライブルクの通称

【研究】ライフロング医科学研究を先導

名古屋大学大学院 医学系研究科 神経遺伝情報学 教授 大野 欽司

名古屋大学医学系研究科は基幹総合大学として名古屋大学の他部局(環境医学研究所・総合保健体育科学センター・理学研究科・生命農学研究科・工学研究科・情報学研究科など)、ならびに、近隣の自然科学研究機構生理学研究所、国立長寿医療研究センター研究所、愛知県がんセンター研究所、愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所と合同シンポジウムを定期的に開催するとともに様々な分野で精力的に世界最先端の研究を行っています。Elsevier社のSciVal研究分析ツールを用いてcompetency analysisを行いますと、51の研究領域(研究クラスター)において名古屋大学医学系研究科の強みがあることがわかります。同様にSciVal解析によれば、2003年に設立された神経疾患・腫瘍分子医学研究センターの研究業績は、日本のトップクラスの大学・研究施設の水準を上回っており、本センターは日本をリードする神経とがんの研究拠点に成長しています。さらに、日本の医学系研究科として初めてデータサイエンス系研究の3ユニット(オミクス解析学・システム生物学・生物統計学)を2014年に設置し、次世代のバイオメディカルデータサイエンティストを育成するとともに、世界をリードするバイオメディカルデータサイエンス研究を始動しています。このような長年の医学研究を基盤に名古屋大学医学部附属病院は臨床研究中核病院の資格を得て、先端医療・臨床研究支援センターを整備し、中部地区大学群のシーズを活かすために中部先端医療開発円環コンソーシアムを設置・運営してきました。2018年には第1相臨床試験病棟の整備を行い、名古屋大学医学系研究科はトランスレーショナル研究拠点としても先導的なライフロング医科学研究を推進します。

【学生生活】自由な校風のなか、自分で力をつける

名古屋大学 医学部 医学科 5年 岡﨑 将
同 5年 上川 裕輝

岡﨑:名古屋大学は、学生の自主性を重んじる大学だと思います。学生が自由に使える時間が多いので、サークル活動に打ち込む人も多いですよ。

上川:僕たちは救急医療サークルに所属しています。学生が主体となって、医学部生を対象とした勉強会やワークショップを開いています。人に教えることで、自分たちの学びも深まります。県内の他大学の救急医療サークルと合同でワークショップを開くこともあり、その運営から学ぶことも多いです。

岡﨑:名古屋大学のカリキュラムの特色として、3年生の後期の基礎医学セミナーが挙げられると思います。その時期は講義がなくなり、各研究室に所属して研究に取り組むことになります。担当の先生の下で、その先生が複数行っている研究の一つを任せてもらいます。研究成果の発表は学期末に2日間かけて行われ、一大イベントになっています。

上川:僕は学会発表も行い、賞を頂くことができました。学生が出したデータが先生の論文に使われることもあるので、責任は重大ですが、それだけやりがいもあります。

岡﨑:国際交流のプログラムが多いのも、特色の一つだと思います。僕はヤング・リーダーズ・プログラムというプログラムの一環で、3年生の夏に教授と一緒にモンゴルに1週間行きました。モンゴル唯一の医学部の学生たちと英語で結核についての討論会をしました。

上川:名古屋大学が協定を結んでいる海外の大学は多く、6年次の臨床実習を海外で行う人も2割程度います。様々な機会が用意されていて、学生の自主性によってどんどん力をつけていけるようになっているのかなと思います。

※医学生の学年は取材当時のものです。

 

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