ケーススタディ 倉敷スイートタウン
一つの「まち」として機能する(前編)

この施設が地域の中でどのような役割を果たしているのか、松木道裕院長、高橋里子看護部長、事務の山本渉さん、コンシェルジュの石田美知江さんにお話を伺いました。

地域包括ケアシステムの拠点として
住民に開かれた場にしていく

――この施設全体の特徴を教えてください。

松木院長(以下、松):当施設は、病院とサービス付き高齢者向け住宅、その他の様々な施設を合築して、一つの「まち」のような形にしようという理念で作られました。

高橋看護部長(以下、高):1〜3階が病院、4〜5階が住宅となっており、比較的医療ニーズの高い方でも住宅部分に入居していただくことができます。何かあった場合にも、主治医と看護師が対応することができるため、非常に安心して暮らしていただいています。終の棲家として入居される方も多く、看取りも行っています。

山本(以下、山):当院の地域包括ケア病棟で在宅復帰を目指していたけれど、60日で家に帰るのが難しいという場合には、住宅部分に一旦入居して、その先のことをゆっくり考えていただくこともできます。今後、地域包括ケアシステムの中心的な存在になるのは、当施設のようなところなのではないかと感じています。

:もともと、倉敷市中庄地区には、川崎医科大学附属病院以外の病院がなかったこともあり、当院は地域に根ざした病院として開院したのです。在宅療養支援病院として、地域の医療機関や介護施設などと密な連携を図っています。当院に入院・通院される方や住宅部分に住む方だけでなく、地域の全ての人たちに開かれた場所となるよう、様々な活動を行っています。

――具体的にはどのような活動を行っているのですか?

:院内のホールやロビーを地域住民の皆さんに開放し、リウマチ教室や糖尿病教室、介護予防教室、健康体操、ワンコイン健診、コンサートといった様々なイベントを開催しています。また、医師・看護師・リハビリ・MSW・薬剤師といった多職種が地域の公民館などに出向き、出張講座も行っています。

:さらに、院内のカフェを利用して、月1回「認知症カフェ」を開催しています。誰でも自由に参加することができ、お茶を飲みながらリラックスして相談できると好評です。

石田(以下、石):イベントのない日でも、お散歩の途中で院内のカフェに寄ってお茶を飲まれる方や、院内のコンビニにお買い物にいらっしゃる方も多いです。地域の方にとっても、24時間明かりが灯っていて、人が行き交う場所があることが、安心感につながっているようです。

:施設内にあるレストランやビューティーサロンも、予約いただければどなたでも利用することができます。レストランでは、患者さんのお孫さんの結婚パーティーを行ったこともありました。

:院内にある保育所は、以前は職員のお子さんのみ預かっていましたが、市からの認可を受け、一般の方にもご利用いただけるようになりました。当施設の住宅部分に子どもたちが訪問する機会も設けており、世代を超えた交流ができています。

:このような活動は、地域住民とスタッフ、そして地域住民同士が交流する良い機会となっています。これからも、地域の皆さんに親しんでいただける施設を目指して、様々な活動を行っていきます。

 

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地域住民の方々が自由に参加できるイベントが数多く開催されています。