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【内分泌・代謝・糖尿病内科】今村 修三先生
(近畿大学医学部 内分泌・代謝・糖尿病内科)-(前編)

羽田野先生

内分泌・代謝・糖尿病内科を目指した経緯をお聞かせください。

今村(以下、今):実家が代々医師の家系で、父はかつてここ近畿大学の内分泌・代謝・糖尿病内科の医局で研究していました。幼い頃、父に連れられて研究所を訪れたことなどもあって、自然とこの分野に興味が湧きました。循環器内科や消化器内科とも迷いましたが、父の跡を継ぐことなども考え、当科を選びました。

――この科のどのようなところに魅力を感じたのですか?

:疾患のメカニズムが明確で、ロジカルに突き詰めながら診断をつけることができる点です。

疾患の中では、特に糖尿病に興味がありました。一口に「糖尿病」と言っても、実際に学んでみると様々な型があり、患者さんの年齢や背景等によって治療の内容も全く変わってくるところに、奥の深さを感じました。また、糖尿病は若くして発症する人も多く、患者さんは一生病気と向き合っていかなければなりません。でも、しっかり病気をコントロールさえできれば、健康な人とあまり変わらず生活できます。患者さんとじっくりお話しして、普段の生活を支えるという関わり方も、自分の性に合っていると感じました。

――専門研修の様子をお聞かせください。

:入局1年目の半年間は他科をローテートし、その後はずっと内分泌・代謝・糖尿病内科に所属しています。1年目の後半では、基本的に病棟業務を任され、教育入院の患者さんの主治医をしていました。2年目になると、少しずつ外来に出るようになります。入院時に担当していた患者さんの再診が多いですが、初診も担当しています。

――やりがいや難しさを感じる場面について教えてください。

:患者さんとの関わり方については、いつも試行錯誤しています。例えばかなり病歴の長い患者さんの中には、「自分の方が詳しいのだから、若い医師に指図されたくない」と思う方もいます。患者さんの気分を害さず、かつ治療方針をしっかり伝えることが非常に重要になります。

なかなか自己管理がうまくいかない患者さんもいます。1型糖尿病では、頻回に血糖値を測り記録することが治療の基本になるのですが、ある患者さんは測定すらしておらず、非常にコントロールが悪くなってしまっていました。そこで、測定と記録の習慣付けをするためだけに、週1回外来に通い続けてもらうようにしたら、目に見えてコントロールが良くなった、ということもありました。

糖尿病の方は心筋梗塞などのリスクが高くなってしまいますが、適切にコントロールすれば防ぐことができます。自分の言葉一つひとつが、命に関わる病気の予防につながると思うと、非常にやりがいがありますね。

――患者さんへの関わり方は、どのように身につけていくのでしょうか。

:外来を本格的に担当する前には、様々な上級医の先生方の外来を見学し、そこで色々と教えていただきました。

また、私は何回か1型糖尿病の患者会に参加しているのですが、そこでも非常に良い学びがあったなと感じています。特に印象に残っているのは、学生時代に参加した患者会です。経験豊富な医師とペアを組み、患者さん5~6名のグループに入ってお話をするという形式でした。そこでは、先日発症したばかりだという10代の患者さんが、親御さんと一緒に来ていました。本人は、突然のことに困惑しつつも「受け入れるしかない」と考えているようでしたが、親御さんの方は悲壮感でいっぱいの様子でした。私はただ話を聴くことしかできなかったのですが、ペアの先生がしっかり説明をされ、それを通じて親御さんも少しずつ、病気への理解を深められていました。