第2話 赤ちゃんから高齢者まで 医師会が健康を支えます!

 

 

安田くんはドンネルさんの不思議な力で、赤ちゃんの姿に変えられてしまいました!赤ちゃんの安田くんは、そこから幼児期・学童期・青年期…と急速に成長するとともに、これまでに自分が受けてきた医療や保健サービスを追体験しているようですね。

皆さんも、子どもの頃に小児科で予防接種を受けたり、学校で健康診断を受けたりした記憶があるかと思います。こうした各種健康診断や予防接種などの保健活動を推進しているのは、実は地域の医師会なのです。例えば医療機関に予防接種の実施協力を要請したり、学校で健康診断や健康相談を行ったりする「学校医」を自治体に推薦する役割も担っています。

もちろん、医師会が支えているのは赤ちゃんや子どもの健康だけではありません。労働者の健康を守るのは産業医の役割ですが、その産業医を養成・認定する講習を実施することも、医師会の重要な役割です。また、住民検診や40歳から74歳の人を対象とした特定健診・特定保健指導の実施等、その実施者の研修会の開催もしています。さらに、年を取ってからも必要な医療やケアを受けながら、住み慣れた地域で暮らすための在宅医療や訪問看護の活動なども行っています。

休日・夜間診療などの初期救急を運営することも医師会の役割です。地域の医師会診療所に医師会員の先生が交代で勤務するなどして、初期救急の患者さんの対応にあたることで、基幹病院の二次・三次救急がより重篤な患者さんの対応に専念できるようにしつつ、地域の人々がいつ体調を崩したり怪我をしたりしても、きちんと医療を受けられる体制を築いているのです。

国民の健康を守り、医療提供体制を維持するために、国や自治体は様々な施策を講じていますが、それらの施策を実際にどのように運営していくかはそれぞれの地域や現場に任されています。国や自治体と協力しながら、医師たちが組織的かつ主体的に、地域それぞれの実情に合わせた医療・保健サービスを提供することで初めて成り立つものです。医師会は、そうした医師たちの活動を可能にするための職能団体です。国民とともに安全・安心な医療提供体制を築き、国民の生涯にわたる健康で文化的な明るい生活を支えることは、医師会が担っている大きな役割だと言えるでしょう。