第4話 チームの力で「医療」を守る!

 

 

前のページでは、地域の医療の危機を救うために、地域の医療者や医療機関が自律的に「自分たちにできること」を模索していく様子を紹介しました。しかし、そのように臨機応変に動くためには、地域内で人的・物的リソースの配分を調整したり、国や自治体に働きかけて、制度面の制約を乗り越えたりしていく必要があります。

医師会は、そうした地域でのリーダーシップを発揮する役割も担っています。医師会は普段から、地域の医療機関をつなぎ、様々な調整を行うネットワークとして機能しています。また、政府や自治体へのパイプを持ち、医師の代表として様々な要望や提言を届け、制度を作ったり改善したりする活動も行っています。こうした活動は、新興感染症の流行などの非常時において特に真価を発揮します。

専門職として、「患者さんにとって最良の医療とは何か」を考え、それを提供するための環境を整備していく。これこそが、医師会が大切にしている医師の「プロフェッショナル・オートノミー」の体現であると言えるでしょう。

 

Column 医師会の三層構造

この特集では「医師会」と一言でまとめていますが、実は医師会は「日本医師会」「都道府県医師会」「郡市区等医師会」の三つの構造からなり、それぞれ異なる役割を担っています。

郡市区等医師会は、地域医療の最前線で活動する医師会です。市区町村と協議しながら、予防医療や初期救急体制の維持、地域で必要とされる医療機関の運営などを担っています。

都道府県医師会は、各都道府県の医療政策に基づき、都道府県民の健康を守る活動を行っています。救急・災害医療に関する取り組みや、医学部を持つ各大学への支援なども行っています。

日本医師会は、医師を代表する唯一の職能団体として、国や官庁に対して医療政策に関する様々な提言等を行っています。郡市区等医師会・都道府県医師会・日本医師会はそれぞれ独立した団体ですが、緊密な連絡・協調態勢をとりながら運営されています。

このような三層構造があることで、国の医療制度の根幹から、地域それぞれの医療提供体制に至るまで、医師の視点からより良い医療環境を確立し、維持していくことが可能になっているのです。

 

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