大学紹介

大分大学

【教育】大分地域に根差して、世界に羽ばたく人材養成

医学教育センター 北野 敬明

北野 敬明教授

本学では、患者の立場を理解した全人的医療ができるよう、豊かな教養と人間性、高度の学識、生涯学習能力、国際的視野を備えた人材を育成することを目的として以下の教育を行っている。

1.入学~2年前期の準備教育期間では、語学、生命科学等に加えて、医療プロフェッショナル自覚のための医療コミュニケーション・倫理・心理学関連教育などを実施している。

2.学生自身が自覚を持ち、積極的に自己学習・研鑽を実践するため、2年次後期からの医学専門教育では、学生自身が課題から問題を見つけ、学習する項目を自ら決定し学習する問題解決型学習(チュートリアル学習)を多く取り入れ、講義・実習と併用して自己学習能力の養成を試みている。
学生が自発的に学習するための環境整備として、24時間利用できる図書館、自学自習ができる学習室も整備している。

3.真理探求心、研究の喜びを涵養するため、4年生後期に最低8週間の研究室配属を実施している。また希望者約10名には国際的視野涵養のためのフィリピン・サンラザロ病院での熱帯医学実習も実施している。

4.地域医療の現状と重要性を認識するため、大分大学地域医療学センターを設置しており、1年次の早期体験・外来実習で介護ボランティア、チーム医療を実践し、3年次に1週間、5年次に2週間の地域医療実習で地域・僻地病院に派遣し、往診・検診も含めた包括的で多くの経験ができる地域医療実習を行っている。

5.5年次からの医療実習においては、チーム医療の一員として実際の医療に関わりながら学習するクリニカルクラークシップ、各種シミュレーターを用いた技能学習も取り入れた臨床トレーニングを行い、実習修了時にはアドバンスドOSCEにより実習能力の評価を行い、多くの問題に直面しても、最善の方法で問題解決できる医療人の養成を目指している。

関連サイト: http://www.med.oita-u.ac.jp/meded/curriculum/start01.html

【研究】臨床に結びつく研究の推進

大分大学医学部長・研究科長 大橋 京一

大橋 京一

大分大学医学部では基礎研究においても臨床に結びつくことを方針として進めています。近年の疾病研究は、その発症メカニズムを細胞内の蛋白質やその設計図にあたる遺伝子のレベルで理解することが当然のこととなってきています。

遺伝子や蛋白質の機能を解明するために、現時点で最も信頼できる研究手法は、遺伝子工学の手法を用いて遺伝子操作した遺伝子改変マウスを用いて遺伝子機能を解明する(特定の遺伝子を破壊することによって失われた機能を検出する)ことです。医学部では遺伝子改変マウスを用いて癌、免疫疾患などの機能解明に取り組んでいます。

また、臨床研究も重要です。基礎研究で得られた情報をヒトにおいて確認しなければなりません。医学部はその責務を有していると思います。このため、医学部・附属病院を挙げて臨床研究の推進体制を構築するため、総合臨床研究センターを開設し、臨床研究を支える人達が活躍しています。臨床薬理学講座では薬の効果の個人差について研究を行っています。

同じ薬を服用したとしても効く人、効かない人がいます。この原因としてヒトゲノムの0.1%の違いによることを次々と明らかにしてきました。ピロリ菌の除菌は胃癌、胃潰瘍などの上部消化管疾患に重要ですが、同じ薬を飲んでも除菌ができない人がいます。これらの人は薬の代謝酵素の遺伝子変異が大きく影響を及ぼしています。

また、海外との共同研究も活発に行われています。環境予防医学講座では胃癌、胃粘膜炎症を引き起こすピロリ菌病原因子を発見しており、日本など胃癌の発生率が高い地域には特定のタイプを持つピロリ菌が多いことを海外との共同研究で明らかにしています。今後ピロリ菌遺伝子の差異によるテーラーメイド医療を考慮できる可能性を秘めており国際的に注目を集めています。

このように大分大学医学部では臨床に結びつく研究を推進していますので、諸君らの参加は大歓迎です。

【学生生活】学生主催の学祭とオープンキャンパス

大分大学医学部3年 谷 遼太郎

谷

大分大学医学部では、学生が主体となって「医学部祭」を開催しています。自分たちでパンフレットを作って、OB・OGや地元のお店に広告を出してもらって運営しています。実行委員は120人前後いるので、まさに医学部が一丸となって作り上げる学祭ですね。

ほとんど全員が一度は参加するダンス大会が定番で、他にもお笑い芸人を呼んだりオカマコンテストをやったりと趣向を凝らしています。部活単位で出し物をするので同級生や先輩後輩の絆は深まりますし、やっぱりカップルが出来ることも多いんですよ。「医学部祭マジック」ですね。

今は地元の高校生やおばあちゃんが来てくれる感じで来場者は1500人くらいなので、今後はもう少し多くの人を巻き込んだイベントにしたいと思っています。

実は他にも、学生独自のオープンキャンパスをやっています。大分大学の夏のオープンキャンパスには人数制限がある関係で来られない高校生がいるようなので、じゃあ自分たちでやろうという話になったんです。今までも学生主催のオープンキャンパスはあったんですけど、質問コーナーがあるだけの小規模なものだったので、ちゃんと宣伝して真面目にやれば夏来られなかった子たちにも来てもらえるだろうと。

正直うちの大学は、高校生にとっては一見ぱっとしない印象だと思うんです。でも、うちのことを知ってもらえれば入りたいと思う高校生はもっとたくさんいると思うし、そういう子たちの選択肢の一つになれば嬉しいですよね。

医学部は難しいイメージがあるかもしれないけど、うちの大学はそこまで狭き門じゃないので、医学部に対するイメージを変えて興味を持ってもらえればいいなと。大学のためにやってるとまでは言えないですけど、少しでも間口が広くなればいいなと思っています。いつかは県外からも人が来てくれるようなオープンキャンパスになればいいですね。

※医学生の学年は取材時(2013年2月)のものです。

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