郡市区医師会の現場を見てみよう!(4)

遠賀中間医師会

地域で完結する医療を提供する

遠賀中間医師会おんが病院 末廣 剛敏先生(写真左)、遠賀中間医師会専務理事 柴山 均先生(写真右)

福岡県の遠賀中間医師会は、中間市、岡垣町、芦屋町、遠賀町、水巻町という1市4町を束ねる郡市区医師会です。北九州都市圏の最も西側に位置し、高次医療機関は北九州市内に集中しているため、近くに救急の受け入れ先がないという問題がありました。そこで2005年に遠賀中間医師会が、経営難だった県立遠賀病院を引き受ける形で、医師会病院を発足させました。

「以前この地域にあった県立病院は、急性期医療機関としては不十分な体制で、経営状態もひどいものでした。ですからこの地域の急性期の患者さんは、車で1時間ほどかけて北九州市内の病院にかかることが多かったのです。そこで県立病院を引き受ける形で、地域内で急性期医療を担える医師会立病院を作りました。当初は医師が集まらなくて大変でしたが、最新鋭の設備があり、互いの顔の見えるコンパクトな病院の働きやすさもあって、素晴らしい先生が次々に来てくれたのです。」(柴山先生)

「私は2011年から、ここで救急を担当しています。この地域は高齢者も多いので、急変でどの科に送ったら良いかわからないという患者さんも多かった。そこで私は『救急総合診療部』を開設して、なんでも横断的に診る窓口を作ったのです。どんな患者さんでもとりあえず受け入れる体制があることで、地域の開業医の先生方も紹介がしやすくなったと言って下さいます。私の所で振り分ければ専門科で高度な治療も可能なので、遠くに通わなくても、地域の診療所と当院だけで完結する医療体制が実現できています。」(末廣先生)

住民への健康講座

予防医療に対する取り組みの一環として、各地の医師会で住民向けの健康講座などが開かれています。

産業医

工場が多い地域には、産業医活動に力を入れている医師会もあります。都市部では、企業で働く人のメンタルヘルスの管理という点でも、産業医のニーズは高まっています。

開業医と勤務医の合同勉強会

遠賀中間医師会


遠賀中間医師会では、開業医と勤務医の交流の機会もかなり多く、カンファレンスや研究会なども頻繁に行われています。おんが病院の専門科の先生方が主体となり、医師のみならず他の医療系職種も集まって、画像診断や消化器、糖尿病、循環器などの勉強会が行われているそうです。開業医にとっては、技術のアップデートや質の担保につながるいい機会になっているようです。

また、遠賀中間医師会には看護師会もあります。医師・歯科医師・薬剤師の「三師会」は様々なところにありますが、ここは看護師を含めて「四師会」と呼ばれています。よく、診療所に勤める看護師は新しい知識を取り入れる機会がないなどと言われますが、看護師会ではおんが病院の施設を利用して、定期的に講演会や勉強会を行っており、看護師の生涯学習もサポートしています。