大学紹介

名古屋市立大学

【教育】社会性・倫理性・創造性を兼ね備えた医療者の育成を目指して

名古屋市立大学

名古屋市立大学大学院医学研究科 副研究科長
精神・認知・行動医学分野 教授 明智 龍男

本学の使命は、社会性・倫理性・創造性を兼ね備えた医師・医学研究者の育成にあります。これを達成するために、卒業時に、1.科学としての医学、2.医療の安全と技能、3.社会と医学、4.医師としての姿勢と素養という4領域の能力を身につけるべく、6年一貫スパイラル方式のカリキュラムを実施しています。1年次は医学部・薬学部・看護学部合同でさまざまな医療現場を体験する「医療系学部連携チームによる地域参加型学習」を取り入れています。このカリキュラムは、医療系学部の学生が大学入学当初に持っている「早く医療を学びたい」という強い動機を受け止め、かつ新入生と上級学生、大学の教員や職員との親和性を高める目的で開始されました。具体的には医・薬・看護学部1年生は学部混成の24チームに分かれ、病院、学校、福祉施設、離島などの24地域を担当し、地域診断プロダクトの作成や地域でのプロダクトの発表を行いながら、地域の人たちとの話し合いの中で地域のニーズを発見し、「学生なればこそできる」課題を見つけてその解決をテーマとする学習を行います。本カリキュラム導入で、チームワーク能力のみでなく、将来の職種の違いによる専門職としてのプロフェッショナリズムの刺激にも繋がっています。基礎医学を一通り学んだ後の3年次の秋からは、約4か月間にわたり研究に専念する基礎自主研修コースを設けています。本コースの成果を実際に学会で発表したり、その後MD-PhDコースに進んで論文にまで仕上げている学生もいますので、学生にとっても非常に有意義な機会になっています。その他にも、英語教育カリキュラムの充実など多くの取り組みを行っています。学生の勉学への取り組みは自律的かつ熱心で、平成25年3月に発表された第107回医師国家試験の新卒生の合格率は100%と全国1位でした。

【研究】先端医学研究を担う人材の育成

名古屋市立大学

名古屋市立大学大学院医学研究科 副研究科長
細胞生化学分野 教授 中西 真

名古屋市立大学大学院医学研究科では基礎・臨床を問わず幅広い医学分野において活発に最先端研究活動が行われています。とりわけ、神経再生分野、肝炎ウイルス分野、あるいは発ガン研究分野においては世界をリードする実績をあげており、最先端・次世代研究開発支援プログラム等の公的大型グラントにも複数採択されています。医学部では、医学部生に対して独自のMD-PhDコースを設定し、これら先端医学研究を早期に体験・学習する機会を与えることで、将来的に日本の医学・生命科学研究を支える人材の育成に力を入れています。MD-PhDコースを選択した医学部生は基礎系の分野に所属し、継続した先端研究指導を受けることで医学部卒業までに研究成果を欧文論文としてまとめます。この研究成果は博士論文と同様に教授会による審査を受けて合格しなければなりません。合格した学生は臨床研修修了後、3年間の大学院博士過程に進学します。将来基礎系分野に進学するものは、これまでの先端専門研究をさらに推進し、臨床系の分野に進学するものは、基礎・臨床の両分野から研究指導を受けて専門研究を開始します。これまで既に10名を超える医学部生が本コースを選択して優れた研究成果を発信し、先端医学研究者として育ちつつあります。

名古屋市立大学大学院医学研究科では、名古屋地域の枠にとらわれず広く日本、あるいは世界に最先端医学・生命科学研究成果を発信し、将来的に世界をリードする医学・生命科学研究者の育成を目指しています。

【学生生活】医薬看の医療系3学部が連携して学ぶ

名古屋市立大学医学部4年 岩井 梢
同4年 大橋 ひとみ

大橋:名市大に通っていると、医学部・薬学部・看護学部が近くに揃っている環境は恵まれてるなあとよく思います。1年次には医薬看で10人くらいの小さなグループを作って課題に取り組む「医薬看護学部連携早期体験学習」という授業があります。その授業では各グループが病院・商店街・保健所など様々な場所に行って地域のニーズを聞き取り、それぞれのニーズに合った課題を自分たちで設定して、その解決を目指します。さらに授業の最後には、課題解決の過程で得られた知見を授業の集大成として発表して、学生同士が評価し合うんです。

岩井:私のグループは近くの高校に行きました。校長先生にお話を伺うと学校のトイレに臭気の問題があるということだったので、名古屋市衛生研究所のご協力を得てトイレの換気量の測定などを行ったり生徒にアンケートを取ったりしました。大学に入ってすぐの時期に医薬看が協力して一つの課題に取り組むことで、医療をみんなで考えていく姿勢を学べたと思います。

大橋:私は蝶ヶ岳ボランティア診療班という部活に入っています。これは医薬看合わせて100人以上が所属する大所帯の部活なんですが、毎年夏になると長野県の蝶ヶ岳で診療所を運営して診療をする先生をサポートするんです。高山病になる人が多い山なので、多い日で1日に20人くらいの患者さんが来ます。山の上ですから当然体力もいりますし、同時に医学的な知識も必要とされるので、毎週勉強会をして問診や血圧測定などを先輩から学んでいます。部員100人を前に発表をする機会もあって、看護学部の学生と一緒に発表すると、自分にはまだ足りていない「患者さんの目線で考える」という視点の重要さに気付かされます。


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