医学生×教師 同世代のリアリティー

人の人生に関わる 編-(後編)

問三、教師の特性を述べよ。

医E:話は変わりますが、教師を目指したきっかけは何でしたか?

社C:僕は教師になる前に一度新聞の営業の仕事をしていたのですが、合わずに辞めてしまって。どうしようかと考えていたとき、学生時代に教員免許を取っていたので、定時制の高校で教師として2年間勤めてみたんです。そこで「これが自分の仕事だ」と思いましたね。自分の性格に合っている気がしました。

医D:新聞の営業と教師は、どう違ったんですか?

社C:簡単に言えば、お金をみるか人をみるかですね。営業職などの場合、ノルマがあるので、どうしても利益や数字が重要視されます。でも教師の場合、そういうお金の部分ではなく、人の内面をみて仕事ができる。もちろんどちらの働き方が正しいというわけではありせんが、僕には教師の方が合っているなと思いましたね。

社B:卒業した生徒がたまに学校に遊びに来たりすると、教師としては嬉しいものです。それも人と付き合う仕事の役得かもしれません。

問四、責任とやりがいを述べよ。

医F:例えば外科医でいうと、手術数や、執刀できる手術のレベルでその医師をある程度客観的に評価できると思うんですが、教師の場合、いい教師かどうかはどのように評価されるものなんですか?

社C:生徒のアンケートを取りますね。授業について、いくつかの項目に分かれていて、最終的にランキングが出ます。教師の世界では、それが当たり前のことになりつつあります。

医F:病院でも患者さんへのアンケートはありますね。自分のランキングが出るというのはやはり嫌なものですか?

社A:アンケートの結果イコール教師の質というわけではないと思ってはいますが、プレッシャーはあります。各項目が全部1で「やめろ」って書かれているという悪夢を見たこともありましたよ。

社B:教師は生徒の人生を預かっているわけですし、自分の教育が間違っているんじゃないかという怖さはやっぱりありますね。そういうものを背負いすぎて、心を病んでしまう教師も中にはいます。

社C:でも、人の人生をみることができるのは、楽しみでもあるんですよ。様々な人の人生が変わる瞬間をみることができるって、感動しませんか? 僕が教師を目指したのは、そういう瞬間をみたいからなんです。医師も、自身の働きかけによって人が変化する瞬間をみることができる仕事ですよね。

医E:はい。以前、医学部の授業の中で、延命治療をするかどうかをご家族とお話しする場に同席したことがありました。そこでは結局延命治療はしないという話になったのですが、そのときに、自分の価値観ではなくて、患者さんが望む人生を送らせてあげられるような医師になりたいと思いました。人の人生に関わるというのは重圧でもありますが、それでもそこに関わることができるのは、やりがいでもあるかもしれませんね。

社A:医師と教師はやっぱり似てますね。

医D:そうですね。今日は教師の方々とお話をして自分たちの仕事を再認識できました。どうもありがとうございました!


* この記事は、今回お話を聞いた教師の業務内容に即した一例です。