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各論的事項 №23
「医薬品副作用被害救済制度について」

鈴木 邦彦(日本医師会常任理事)

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 医薬品副作用被害救済制度は、医薬品医療機器総合機構法に基づく公的な制度である。

医薬品副作用被害救済制度について

 医薬品(病院、診療所で処方されたもの以外に薬局・ドラッグストア等で購入したものも含まれる)を適正に使用したにもかかわらず、副作用によって一定レベル以上の健康被害が生じた場合に、医療費等の諸給付を行うものである。「適正な使用」とは、原則的には医薬品の容器あるいは添付文書に記載されている用法・用量及び使用上の注意に従って使用されることが基本となるが、個別の事例については、現在の医学・薬学の学問水準に照らして総合的な見地から判断される。副作用救済給付の対象となる健康被害は、昭和55年5月1日以降に医薬品を適正に使用したにもかかわらず発生した副作用による疾病(入院を必要とする程度のもの)、障害(日常生活が著しく制限される程度の状態で、「1級」と「2級」に該当する程度の状態)及び死亡である。ただし、救済の対象から除外される医薬品や救済の対象とならない場合もある。対象除外医薬品とは、1.がんその他特殊疾病に使用されることが目的とされている医薬品であって、厚生労働大臣の指定するものであり、抗悪性腫瘍剤、免疫抑制剤などが含まれる。2.人体に直接使用されないものや、薬理作用のないもの等副作用被害発現の可能性が考えられない医薬品であり、動物用医薬品、製造専用医薬品、体外診断用医薬品などが含まれる。また、副作用救済給付の対象にならない場合とは、1.法定予防接種を受けたことによるものである場合(任意に予防接種を受けたことによる健康被害は対象になる)、2.医薬品の製造販売業者などに損害賠償の責任があきらかな場合、3.救命のためやむを得ず通常の使用量を超えて医薬品を使用したことによる健康被害で、その発生が予め認識されていた等の場合、4.対象除外医薬品等による場合、5.医薬品の副作用のうち軽度な健康被害や医薬品の不適正な使用によるもの等の場合である。給付の種類としては、医療費、医療手当、障害年金、障害児養育年金、遺族年金、遺族一時金及び葬祭料がある。

 医療費等の給付の請求は、健康被害を受けた本人(または遺族)等が、請求書と添付資料(医師の診断書)を医薬品医療機器総合機構(PMDA)に送付することにより行うこととなっている。給付の種類に応じて、請求の期限が定められている。

 PMDAでは、給付の請求があった健康被害について、その健康被害が医薬品の副作用によるものかどうか、医薬品が適正に使用されたかどうかなどの医学的薬学的判断について厚生労働大臣に判定の申し出を行い、厚労大臣は、PMDAからの判定の申し出に応じ、薬事・食品衛生審議会副作用被害判定部会に意見を聴いて判定を行うこととされている。

 PMDAは、厚労大臣による医学的薬学的判定に基づいて給付の支給の可否を決定する。なお、その決定に対して不服がある請求者は、厚労大臣に対して審査を申し立てることができる。

 医療費等の給付に必要な費用は、許可医薬品製造販売業者からの拠出金で賄われている。なお、医薬品副作用被害救済制度に係るPMDAの事務費の1/2相当額については、国からの補助金によって賄っている。