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日本の「医療改革」に警鐘を鳴らす映画『シッコ』

 日本の医療が向かっている、アメリカ医療の実態をあなたの目で確かめてください。

 医学・医療技術の先進国でありながら、国民健康保険制度がないアメリカには、約五千万人の無保険者がおり、毎年一万八千人が治療を受けられずに亡くなっているという冷厳な事実がある。

 アメリカの「病理」を徹底的に描いてきた鬼才マイケル・ムーア監督は、さまざまな事実を追いかけるうちに「アメリカの医療制度はシッコ(sicko=病気)」だと叫ばずにはいられない。治療を受けようとすると、その疾患とは関係のない「既往症」によって保険会社から支払いが拒否される女性。支払い能力のないとの理由で、それまで入院していた病院から一人でタクシーに乗せられ、公共支援施設前の路上で強制的に降ろされる高齢者。骨髄移植を待っていた患者に組織適合のドナーが見つかったとの連絡が入ったにもかかわらず、保険会社からの支払い見通しが立たず、亡くなってしまった黒人男性。

 この映画が描き出す世界は、まさに「病に冒されたアメリカ」ではあるが、現在の日本の医療が進んでいる方向と共通している。窓口での一部負担はあるものの、健康保険証一枚あれば、「誰もが、いつでも、どこでも」安心して医療を受けることができる、日本の国民皆保険制度を堅持していくためには、アメリカ医療の現状を対岸の火事と見るのではなく、他山の石としなければならない。

 なぜなら、ここ十数年の日本の医療の方向性は、アメリカ型の市場原理主義に基づく医療の民営化路線に限りなく近いからである。

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