2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、「望まない受動喫煙の防止」を目的として、2018年7月に健康増進法が改正され、原則屋内禁煙が初めて法制化されました。2020年4月からは飲食店も原則屋内禁煙となりますが、「既存店」で「客席面積が100㎡以下」かつ「個⼈経営か資本金5,000万円以下の中小企業の経営」の飲食店では例外として喫煙ができるなど、全面禁煙の“お・も・て・な・し”は難しい状況です1)。
一方、オリンピックの開催地である東京都は、「東京都受動喫煙防止条例」を制定しました2)。面積ではなく、人をたばこの害から守ることに焦点をあてて規制をかけるなど、国の法律よりも厳しいものになってはいますが、依然として受動喫煙のリスクは残っています。
国際オリンピック委員会(IOC)では1988年以来、オリンピック大会の開催都市の禁煙化を実現しています。バルセロナ、アトランタ、シドニー、アテネ、北京、ロンドン、リオデジャネイロ、ソチなどでは罰則付きの受動喫煙防止法または条例が施行されました3)。また、IOCと世界保健機関(WHO)は、2010年にたばこのないオリンピックについて合意しています。2020年の東京大会では、競技会場の敷地全体を禁煙にするとしていますが、限られた範囲であり、日本でも受動喫煙対策がより進むことが求められています。
1) 厚生労働省HP
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000338604.pdf(2018年11月20日接続)
2) 東京都福祉保健局HP「東京都受動喫煙防止条例について」
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kensui/tokyo/file/300719_joureisetumei.pdf(2018年11月20日接続)
3) 日本禁煙学会HP「オリンピックと禁煙」
http://www.nosmoke55.jp/action/olympic.html(2018年11月20日接続)