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東日本大震災に関連する情報

各学会災害時ガイドライン抜粋

2013.7.11

(参考)

日本医師会 救急災害医療対策委員会

各学会災害時ガイドライン 抜粋

岩手医科大学 救急医学講座 秋冨慎司
刀根山病院薬剤科 薬剤師 高畑紀子

 

日本呼吸器学会―成人避難所関連肺炎ガイドライン

肺炎疑い時のempiric therapy

1. 元来は健常人

  • 経口:

    メイアクトMS(100)6錠分3 または フロモックス(75)6錠分3
    (以上は食後内服が守れる時)
    クラビット(500)1錠分1 または レスピラトリーキノロン※

  • 点滴:

    ロセフィン 1~2g 1日1回点滴

 

2. 腎機能低下疑い・高齢者

  • 経口:

    メイアクトMS(100)6錠分3 または フロモックス(75)6錠分3
    (以上は食後内服が守れる時)
    レスピラトリーキノロン 半量

  • 点滴:

    ロセフィン 1g 1日1回点滴

 

3. 非定型肺炎疑い:頑固な咳と少ない痰など

  • 経口:

    ジスロマックSR 2g または ジスロマック(250)2錠 分1  3日間
    ミノマイシン(100) 2錠分2

 

4. 慢性呼吸器疾患あり

  • 経口:

    レスピラトリーキノロン

  • 点滴:

    ロセフィン 1回1~2g 1日1回点滴
    チエナム 1回0.5~1g 1日2回点滴

 ※レスピラトリーキノロン:オゼックススパラアベロックスジェニナックグレースビットなど。クラビット高用量も可。

 抗菌薬の投与期間は原則5~7日として、適宜調節してください。

 上記の薬剤は"望ましい"選択です。近似抗菌薬で代用することは可能です。

 

参考:http://medical.nikkeibp.co.jp/all/info/mag/express/data/nmexpress1106.pdf

 

日本脳神経外科学会

【震災後の病気に関するQ&A(抜粋)】

 

Q: 不整脈があり、医師から血が固まりにくくするワーファリンというお薬をいただいています。ここ数日のめなかったのですが、どうしたらよいでしょうか?

A: (前略)ワーファリンの効果は薬を飲まなくても2-3日は持続します。一旦薬が切れてしまっても、以前と同じ量で再開すれば、薬の効きは次第にもとのレベルに達するはずです。3日分をまとめて飲んだり、薬を長持ちさせる目的で決められた量より少なく飲んだりしないでください。できる限りワーファリンが切れないよう医療機関で薬をもらい、またワーファリンの効果(血液のかたまりにくさ)を調べられる状況であれば、調べて薬を調節してもらうことをお勧めします。

 

Q: 血圧管理はどのようにしたらいいでしょうか?

A:通常の血圧管理とやや異にするようです。まずは150mmHgを目指す。(Ca拮抗薬かARB)。
○ 慎重に複数回血圧を測定して、軽々しく下げすぎない(特に高齢者)
○ 血管内脱水の可能性があるので降圧利尿薬は使用しない
○ 服薬歴不明な高血圧では少量のCa拮抗薬から投与して連日血圧チェック
○ ARBでは尿量・尿回数等腎機能の目安に注意する。

 

参考:http://jns.umin.ac.jp/q_and_a.html

 

日本認知症学会 被災者支援マニュアル

(抜粋)

■せん妄がはじまる前にー抑肝散2.5gが有効なケース。抗コリン作用のある薬はせん妄の原因となる場合があるので中止を考慮する。

■意識障害のある場合―慢性硬膜下血腫の可能性も視野に興奮・暴力・暴言―認知症と診断されていていアリセプトなどを処方されていた場合は、本剤を一旦中止してみることも一案。アリセプトなどは、介護環境が悪い場合、易怒性や暴言・暴力などを悪化させる可能性がある。薬物治療が必要な場合は、抗不安薬や睡眠薬ではなく抗精神薬を選択する。

リスパダール0.5mg分1、セロクエル25mg分1、ジプレキサ5mg分1など、(その半量ならなお安全)ただしセロクエル、ジプレキサは高血糖を起こすのでDM患者には禁忌であり、血糖を測れない場合は使用しないほうが望ましい。

 

■幻想・妄想―抑肝散2包分2が幻視に有効(家族を別人と認識するようなレビー小体認知症の場合)、アリセプトは効果に個人差あり投薬を開始しないことが望ましい。抗精神薬一般使用する場合は、薬剤感受性が高まるためできるだけ微量より開始することが望ましい。

 

■徘徊―薬物治療はあまり効果的とはいえない。

■無為無欲・抑うつーSSRI:ジェイゾロフト25mg、デプロメール25mg、ルボックス25mg、パキシル5~10mg。レビー小体認知症に伴う不安や抑うつにもSSRIが用いられるが、薬剤感受性が高まるためより慎重に投与することが望ましい。

 

■不眠―マイスリー5mg、アモバン7.5mg、レンドルミン0.25mgなどの作用の短いタイプ。ロゼレム8mgは高齢者に比較的安全だが、SSRIとの併用は禁忌。昼夜逆転症状には抑肝散が有効な場合も。

■排便コントロールの不良―ラキソベロン液、テレミンソフト座剤

 

■興奮性の精神・心理症状(BPSD)―リスパダール0.5mg分1、セロクエル25mg分1、ジプレキサ5mg分1など、(その半量ならなお安全)ただしセロクエル、ジプレキサは高血糖を起こすのでDM患者には禁忌。グラマリール25mgも短期間なら比較的安全。眠気・傾眠・嚥下障害・呂律不良などが出現したら即中止するよう介護者へ伝える。

 

■抗うつ薬と抗不安薬―BZA系の薬剤は安易に使わないほうがよい。不安やうつ症状が強い場合SSRIが有効だが、せん妄を引起す可能性があり注意が必要。パニック症状や不安症状が一過性に出現する場合はワイパックス0.5mg~1mgを舌下頓用使用が即効性あり有効。

 

■てんかん発作―認知症が重度となるとてんかん発作が出現する場合あり。デパケンR・バレリンRを200-400mgで様子を見る。

 

参考:http://dementia.umin.jp/iryou419.pdf

 

日本心臓病学会 災害マニュアル
  • 肺血栓塞栓症・深部静脈血栓症: アスピリンは無効

  • 脳卒中: 過去の服薬歴で降圧剤・インスリン・スタチン系・血糖降下薬、抗血栓薬の歴がないか確認。降圧目標は140mmHg以下にはしないように注意

  • 心筋梗塞・狭心症: PCI後の抗血小板薬2剤併用歴のある患者でもアスピリンのみで対応可。胃潰瘍発症に注意。必要に応じてPPIやH2ブロッカーを。

  • 心不全・不整脈・心房細動:ワルファリン、アミオダロン。避難所では食事の影響によるWfコントロールが不良となる可能性あり。ダビガトラン(腎機能が確認できる場合)。新規発症の心房細動では抗凝固療法を行いながらレートコントロール。ヘルベッサーR、アーチストなど。加えて、Ca拮抗薬やジゴキシンの追加を行う。心不全がある場合は、ジゴキシンから開始し少量のβブロッカーを加える

  • 基礎疾患のない孤立性心房細動の場合はサンリズム150mg分3、(そのほか、シベノール300mg分3、リスモダンR300mg 分2、プロノン450mg分3、タンボコール200mg分2)

  • 比較的長期の持続性心房細動・器質的病的心の場合はベプリコール、アミオダロン、ソタコール(器質的病的心は不適)

  • 災害時高血圧―長時間作用型のCa拮抗薬(アダラートCR、アムロジンなど)、α・βブロッカーは災害前に服用していた場合は継続。ARBやACEIは災害時にその効果が大きく変動する可能性がある。

 

日本産婦人科学会 診療ガイドライン2011

薬剤の名称記載のある部分のみ抜粋(327項)

【妊婦Treatmentの注意点】

■性器出血がひどい場合

十分な補液と子宮内処置・手術が必要である。できるだけ早急に後方支援病院に搬送する。

下腹痛がひどい場合、子宮収縮抑制剤(βアゴニスト:ウテメリン)筋注や喘息治療薬であるブリニカール(βアゴニスト)の筋注での代用も可。子宮破裂や胎盤早期剥離の可能性もあるためできるだけ早急に後方支援病院に搬送する。

■外傷の場合

妊産婦、じょく婦(分娩から42日間の産じょく期にある女性)は易感染状態にある。破傷風ワクチンは妊婦でも積極的に使用してよい。抗生物質も基本的に積極的に使用してよい(ペニシリン系、セフェム系が望ましいが救命のための短期間使用ならばほとんどの薬剤で催奇形性の問題はない)。また循環器・呼吸器・泌尿器系の薬剤も、母体生命優先的に使用してよい。

抗不安薬、抗精神薬、睡眠薬も短期間使用ならば問題にならない(ジアゼパム:セルシン・ホリゾンは日常臨床でも胎児麻酔に使用される)。鎮痛薬はアセトアミノフェンが望ましい。

NSAIDsは胎児に有害とされるのでできる限り使用しない。ペンタジンは使用可能である(ただし本剤は子宮収縮作用があるので胎盤早期剥離や陣痛の場合は注意が必要)。モルヒネなども使用可能である(無痛分娩で使用された経験がある)。

参考:http://www.jsog.or.jp/activity/pdf/gl_sanka_2011.pdf
※PCにダウンロードしてご覧下さい。

 

日本長寿医療センター―避難所での褥瘡治療簡易マニュアル

リフラップ、テラジアパスタ、ユーパスタ、ヨードコート、ゲーベンいずれか症状に応じて組み合わせる

参考:http://www.ncgg.go.jp/pdf/topics/hisaijokusomanual110413.pdf

 

日本肝臓学会

【B肝で治療中の患者さまへ】ゼフィックス、ヘプセラ、バラクルードは中止しないように。1-2週間程度の中止では肝炎の悪化はないが、薬が手元にない場合は災害拠点病院で処方を受けてください。B肝でINF治療中の方は、INFを中止しても肝炎が急激に悪化することはありません。C肝でINFを含む治療をされている方も中止による肝炎の急激な悪化はありません。

参考:http://www.jsh.or.jp/news/archives/12

 

日本眼科学会

災害時の緑内障治療についてのご協力のお願い:http://www.nichigan.or.jp/news/0232.pdf

あなたの目薬はこの中にありますか(緑内障):http://www.nichigan.or.jp/news/0231.pdf

 

日本緑内障学会

1か月位点眼しなくても急に進行することはありません。

参考:http://www.nichigan.or.jp/news/022.pdf

 

日本角膜学会―角結膜疾患への対応について(角膜移植後の方はステロイド点眼をできるだけ中断しないようにしてください)

参考:http://www.nichigan.or.jp/news/025.pdf

 

日本糖尿病協会―インスリン一覧/避難生活Q&A(薬について気をつけること)

参考:http://www.nittokyo.or.jp/kinkyu_110317.html

 

日本老年医学会―高齢者災害ガイドライン

(心疾患、精神疾患、感染症等のほか、歯科、泌尿器科等に至る幅広い疾患への対応が記載あり)