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<優秀賞>
「わたしがおいしゃさんになったら」
天野 莉那(7) 群馬県勢多郡・小学1年生

 わたしが、がっこうからかえると、いつもいえの中からおばあちゃんがおかえりなさいと出てきます。そしていえの中は、とてもおいしそうなにおいがします。

 ある日、いそいでかえると、いえの中がとてもしずかで、なにもにおってきません。わたしが、すぐだいどころにいくと、おばあちゃんのエプロンが、さみしそうにかかっていました。

 どうしたんだろうとおもっていると、おかあさんがかえってきました。おばあちゃんが、びょういんににゅういんしたのだということです。

 わたしはおどろきました。そしてどうしてと、おかあさんにたずねると、「きっとおばあちゃんはつかれちゃったんだよ、かわいそうにね」といっていました。

 わたしのいえは、おばあちゃんのおとうさんと、おかあさんもいっしょにすんでいました。かぞくが九にんもいたのです。

 いまは、大きいおじいちゃんと、大きいおばあちゃんは、しんでしまいました。だからきっと、つかれちゃったんだと、わたしもおもいました。

 びょういんにいくと、ベッドの上で、おばあちゃんはわたしのかおを見て、うれしそうに、「にこにこ」とわらっていました。「だいじょうぶ」と、わたしがいうと、みんなのかお見たらもうなおったよ、と下を見て、おどけて見せました。ひだりの手に、ちゅうしゃばりがささって、上に大きなくすりのびんがさがっています。

 そのとき、そうだ、わたしがおいしゃさんになって、おばあちゃんも、いえの人も、まもってやろう、そうしてもしできたら、まほうのかけられる、おいしゃさんだったらいいのにな……とおもいました。

 レンガのいえで、入り口は、ねこのしっぽがさがっていて、ひっぱると、ねこが「にゃおん、にゃおん」となくんです。うけつけのかんごふさんも、うさぎさんのぬいぐるみをきて、「いらっしゃい、どうしましたか」と……そうすれば、小さい子どもも、あかちゃんも、びょういんにいくのがたのしくなっちゃうだろうになと、おもったからです。

 そしてなにより、おばあちゃんのびょういんのかんごしさんも、やさしくって、せんせいは、女のせんせいだったのです。とても、やさしくって、きれいで、はきはきしていて、たのもしくおもいました。みんなにそうおもわれているせんせいは、かがやいて見えました。

 わたしが、びょういんのせんせいになりたいと、おかあさんにいったら、おかあさんは、じゃあ一ばんに、おともだちにやさしくね。がっこうはやすまないように、なんでもすききらいなくたべること。あなたがげんきにまいにちやさしいきもちですごせれば、きっとなれるよと、いってくれました。

 そうすれば、しぜんとべんきょうもできるようになるからね。わたしはじぶんのこころにちかいました。「ぜったい」とようちえんのせんせいも、あなたならぜったいなれるからねと、はげましてくれました。

 はやく大きくなって、あかちゃんや、おばあちゃんにもすかれる、まほうもつかえるおいしゃさんになりたいです。そしていまから、やさしいかおでいつもいられるように、かがみにむかってれんしゅうもしています。

 おばあちゃんのしんだおとうさんも、おかあさんも、わたしがおいしゃさんだったら、百さいぐらいまで、がんばれたかもしれないと、おもうようになりました。

 やさしいことばをかけてあげたり、さんぽにつれていってあげたり、ごはんをたべさせてあげたり、おうたや、おどりもたくさん見せてあげたかった。

 だからわたしは、おいしいものをつくってくれたり、たのしいおはなしをしてくれたり、どうぶつえんや、ゆうえんちにつれていってくれる、だいすきなおじいちゃん、おばあちゃんに、もっともっとながいきしてもらいたいから、わたしがおいしゃさんになるまでげんきでいてください。そうおもっています。


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