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<小学生最優秀賞>
「『かゆいかゆい』はもうすぐそつぎょう」
中澤 珠緒(7歳) 茨城県下館市・小学校1年生

 「かゆい、かゆい」なんて、びょうきのなかまじゃないんだよ。よの中には、もっと、もっと、大へんなびょうきとたたかっているこどもが、いっぱいいるんだよ。「かゆい」ぐらいがまんできないでどうするの。わたしは、こんなことをいわれながら大きくなりました。

 「たまお、かいちゃ、だめ、だめ」。おかあさんのこえも、いっぱい、いっぱいききました。それをいまおもいだすと、はなのおくがじーんといたくなって、すうっとなみだがこぼれそうになります。

 わたしは、うまれて五か月ぐらいで、アレルギーになりました。それから、ずーっといままで、ひふかの、Hせんせいに、いっぱい、いっぱい、おせわになりました。どんなにかゆくても、Hせんせいのやさしいえがおをみると、ひふが、すうっとつめたくなって、かゆいのがきえるようなきがしました。

 「かゆい、かゆい」なんてびょうきのなかまじゃないなんて、かってなことをいわないでちょうだい。ようちえんにいくのに、こっそりぽけっとに、かゆみどめをいれていって、かゆくなったら、ゆびのさきにつけて、こっそりぬるとき、やっぱり、かなしいとおもいました。こんなびょうき、やだなあ、やだなあ、とおもいながら大きくなりました。だって、どうぶつが大すきなのに、おばあちゃんのいえのかわいいねこも、だけないんだよ。やわらかそうなねこが、ねんねしているのをみると、だきたくて、くやしくなります。

 ようちえんのクリスマスのげきで、わたしはマリアさまになりました。マリアさまは、ずっとぶたいにでっぱなしで、たくさんのことばをいい、クリスマスのうたも、いくつもうたわなくてはなりません。みていたおかあさんや、おばあちゃんは、わたしが、かゆくなって、かおをかきはじめないかと、しんぱいでした。けれども、わたしはげきにいっしょうけんめいだったので、かゆいことなんかわすれていました。大きなこえで、うたをうたったので、みんなが、パチパチ、パチパチと、てをたたきました。わたしは、ほんとうにうれしかったです。

 「たいりょくがついたんだ」と、おとうさんがいいました。わたしはいま、からてと、テニスと、すいえいをならっています。このなつは、プールで、まっくろにひやけしました。もう、ひふかにも、あまりいかなくなりました。このあいだ、ようじんのために、くすりをもらいにいったら、Hせんせいが、「もうすぐ、かゆいかゆいと、さようならできるね」と、にこにこしていいました。たまに、とびひができたりしますが、もうだいじょうぶです。わたしのぽけっとの中には、いま、かゆみどめのくすりは、はいっていません。

 かがみで、じぶんのかおをみると、きずやおできのあとは一つもなく、つやつやしています。わたしは、かがみの中で、あかんべえをしたり、おすましをしたりしてみました。もしかして、おとなになったら、びじんになれるかなあ、とおもいました。

 「たまお、かいちゃだめ、だめだってば」というおかあさんのこえをおもいだしました。もう、このこえもめったにきかなくなりました。一ねんせいになってからです。

 おかあさんありがとう。

 Hせんせい、ありがとう。

 もうすぐ、わたしは、「かゆい、かゆい」をそつぎょうします。


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