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<優秀賞>
「笑顔は魔法のお薬」
松並 百合愛(8) 大阪府池田市・小学三年生

 私は、生まれた時はとても小さくて、保育器の中に入っていました。生後一か月、お医者様がびっくりするぐらい大きくなりました。

 おっぱいをいっぱいのんで大きくなったけれど、やっぱり弱いところがあって、小さい時から病気もけがも入院もいっぱいしてきました。

 そんな私を生まれた時からずっとみてくださっている先生がいます。

 先生は、予防接種も検診も風邪の時もアレルギーの時もいつもにこにこして、「うん?どうしたの?」と言ってみてくださいます。

 先生は、いつも聴診器を両手で温めてからおなかにくっつけてくれます。つめたくてびっくりしないようにしてくれているんだと思います。「おなか、もしもしするよ〜」と言って、にこにこしてくれます。また、私の唇が乾燥して皮がめくれていた時は、「唇がめくれているね・・・お熱があるかな?」と言ってくれます。お母さんが付き添いで一緒にきても、お母さんじゃなくて私の目をみて、私とお話ししてくれます。一人前に診察してもらえて、何だかとってもうれしいです。

 それに、先生はいつだってあわてません。私がぜん息の発作で病院に行っても、「大丈夫、大丈夫」と言って、笑顔でこたえてくれました。先生があわてたり、しんこくな顔をすると、私はこわくなって、心配になると思うけど、先生がいつもにこにこだから、私も(あ、大丈夫なんだ)ってほっとします。それだけで、気もちがスーっと楽になります。

 先生はいつも白衣にスニーカーで、軽やかにろうかを歩いていきます。笑顔で病院の中をすーいすいいきます。先生はとっても元気なんだろうなと心の中で思っていました。

 私が高熱で入院した日のこと。私の主治医はいつものにこにこ先生です。入院初日、いくらとんぷくを飲んでも熱が下がらず、先生は何度も来て点滴などの指示をしてくれました。その翌日からも、午前と午後一回ずつ、毎日顔を見に病室まで来てくださいました。五日目の夜、付き添いのお母さんがお部屋を出て、ジュースを買いに行っているときのことでした。私がなかなか眠れなくって、もうねる時間を過ぎたころ、そーっとドアが開きました。先生がにこっとこちらを見ています。(先生、夜なのにまた来てくれたんだ!)先生はお部屋の中に入って来て、しばらく私を見て、にこっとして帰っていかれました。私はねたふりをしていたけれど、心の中で(やったー!)とうれしくなりました。

 六日目の朝、お母さんにこう言いました。「ママ、夕べ電気がきえている時、夜おそくに先生、そーっと見に来てくれたんだよ!先生にっこりしていたよ」。お母さんはうれしいようなこまったような顔をして言いました。 「夕べ先生がお帰りになるところを、ぐうぜんお見かけしたの。先生ね、夜おそく、前かがみで歩いていかれたわ。きっとつかれていらっしゃるのね」

 いつもにこにこ顔で、白衣をひらひらさせて、「大丈夫」って聞かせてくれるあの先生が、つかれて下を向いて歩いているなんて、そうぞうできませんでした。

 先生も本当はつかれる時もあるんだ。でも、かん者さんの前では、いつもにこにこ、明るくして、「大丈夫」って言ってくれているんだ。先生はえらいなぁ、私も先生みたいに人に元気と安心を分けられる人になりたいな、そう思いました。

 さい近、入院はしないけれど、ぜん息の治りょうのため、毎月一回、先生の所にうかがいます。今月もまた、先生の所にお薬をいただきにいきます。きっとあのぴかぴかの笑顔で、「元気?うんうん、大丈夫だね」って言ってくれると思います。そしたら私も一番いい笑顔で先生にこう言いたいです。

 「はい、元気です!先生のおかげで大丈夫!先生も、元気になあれ!」

 にこにこ笑顔で、先生も、私も、みんな元気になあれ!

 笑顔は魔法のお薬です。


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