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小学生の部
<最優秀賞>

「おんがえし」
相原 秀哉(7歳)千葉県市川市・小学1年


 きょねんのあき、おかあさんが、びょうきでにゅういんしました。
 「すぐ、もどるから、おりこうさんにしてるのよ」
 「うん」ぼくは、おかあさんと、ゆびきりをしました。

 つぎの日から、おばあちゃんがきてくれました。でも、どうしてもあいたくなって、びょういんにつれていってもらいました。

 ゆうがたになっても、かえりたくなかったので、「かえらない」といって、ベッドにしがみつきました。
 「おかあさんを、こまらせちゃあいかんよ。おかあさんのことは、おじさんにまかせなさい。おかあさんも、がんばってるんだから、きみもがんばらないといけないよ」と、どこかのおじさんにいわれました。
 おかあさんが「せんせい」といったので、そのひとがおかあさんのしゅじいのせんせいだとわかりました。ぼくは、せんせいのいうことをきいてかえりました。

 おかあさんは、たいいんしてからも、ちゅうしゃをしに、なんかいもびょういんにいきました。いっしょにおふろにはいってるとき、ちゅうしゃしたところのてが、くろくなっていたので、「いたい?」ときくと、「だいじょうぶ」とわらってくれました。ぼくはすこし、あんしんしました。

 そのうちに、おかあさんのかみのけが、どんどんぬけてしまいました。かみをあらったとき、ごっそりぬけたくろいかたまりをみて、びっくりしました。でも、おかあさんがかわいそうだったので、みていないふりをしました。おかあさんは、ないていました。ぼくもなみだがでてきたので、いそいでおふろにかおをつっこみました。

 つぎの日、かいものにいきました。いったところは、デパートのなかで、おんなのひとのかみのけがいっぱいおいてあるカツラやさんでした。おかあさんは、「どれも、たかいわねえ」。「かってもいいよ」ぼくがおねがいしても、「もうすこし、みてみるわ」といって、なにもかわずにかえってきました。

 つぎのしんさつにいったとき、おかあさんはうれしそうに、「せんせいが、かしてくれたのよ」と、カツラをみせてくれました。おかあさんは、ながいかみのけだったので、みじかいのがすこしおかしかったけど、おかあさんがうれしそうだったので、ぼくもうれしくなりました。

 なつやすみで、がっこうがやすみだったので、びょういんにいっしょについていきました。おかあさんのかみのけもようやく、ぼくとおなじくらいに、はえてきたので、カツラをかえしにいったのです。しんさつしつに、はいったとき、おおきなこえで、「こんにちは」といったら、せんせいはあたまをなでてくれました。おかあさんが、「ながいこと、ありがとうございました。ほんとうにたすかりました」といって、カツラをわたしました。
 「いつまでもつかってくれていて、よかったのに」といってくれました。そして、ぼくに、「ぼうや、おかあさん、よくなってよかったな」。

 ぼくは、ようちえんのさいごにかいた「ぼくのゆめ」のことをおもいだして、「せんせい、ぼく、おおきくなったら、おいしゃさんになるよ」。「そうか。じゃあ、わしがびょうきになったら、きみにみてもらおうかな」

 せんせいと、あくしゅをしました。ぼくは、おかあさんをたすけてくれたせんせいやかんごふさん、まわりのみんなにおんがえしがしたいです。

 せんせいのては、とっても大きかったです。


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