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小学生の部
<佳作>

「苦しかったとき」
宮本真由香(10)和歌山県橋本市・小学四年生


 私は、毎日楽しく、片道一時間かけて学校に通ってる小学四年生。

 今から五年ぐらい前のことだった。

 お母さんに、

 「お魚は、カルシウムがたっぷりあって、残したら、お魚がかわいそうよ!! すてられたらゴミになるけど食べてあげれば真由香ちゃんの体の中で栄養になってずーっと生きられるのよ」
と言われて、あまり好きではない魚(忘れもしないカレイのお魚)をかまずに、「ゴックン」と飲みこんだときのことである。急にのどが痛くて、痛くて、つらくて足をバタバタさせて苦しんだ。泣くに泣けないぐらい痛くて痛くてどうしようもなかった。

 お母さんがびっくりして走ってきて、私に、「大きな口をあけなさい!!」
と言って、指をつっこんで、

 「はきなさい!! はきなさい!!」
と言いながら、私の背中をたたいたが、はくにはけず、ゆびを入れてもわからないみたいだった。

 すぐに、車で病院につれていってもらい、病院についたら、他のかんじゃさんよりまっ先に、先生にみてもらった。その先生は、マスクをしている女の先生で、すっごくやさしい目で私を見つめながら、

 「ぜんぜん大じょうぶ。だから、大きく息をすって、大きな口を開けてね」
となんともいえないやさしい声で私に言ってくれた。

 私は、苦しさのあまり、ひっしで、大きな口をあけた。

 先生は、ペンチのようなもので、私の口の中から、白いものを取り出し、

 「まゆかちゃん、大きな大きなカレイの魚のほねがのどのおくにささっていたわよ。今度からは、よくかんでいただきましょうね。」
と言ってくれた。

 急にいたみがおさまり、「ホッ!!」とした。あとは、お薬をのどのおくに「ちょん! ちょん!」と丸っこいわたでぬってもらい、おわりだった。

 帰りに

 「よくがんばったね」
と言いながら、あのやさしい目でみつめて、頭をなでてくれた。

 私は、とてもとてもうれしかった。

 今でも、五年前の出来事は、私にとっては一生わすれられません。死ぬかと思うぐらいつらかったときの、あの女の先生のやさしい目がわすれられません。

 私は、すごくみんなに感謝しています。

 すぐに私をだいて病院にかけこんでくれたお母さん、病院で、私を先にしてくれたたくさんの人たち、そして、とてもやさしい女の先生、みんなのやさしさが今でも心の中に残っています。

 私も、大きくなったらあの女の先生みたいになって、苦しんでいる人たちをたくさん助けてあげたい、やさしくしてあげたいと思っています。

 でも、今の私は、少しの血を見るだけでも目をそらしてしまうので、これから、いっぱいいっぱい勉強して、苦しんでいる人たちのお手つだいを、私のできるはんいでしようと思っています。

 今でも私を元気にしてくれているお魚たち、病院の先生、それからたくさんの人たち、みんな、みんなありがとう!

 私が大きくなったらいっぱいおかえしするから、それまで待っててね。

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