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小学生の部
<優秀賞>
「おじいちゃんと人工透析」
橋 翔太郎(東京都世田谷区・11歳・小学5年)


 “プチ”と いうより “ブチュ”と聞こえてくるような太い針がおじいちゃんのやせた腕に突き刺さりました。ぼくは思わず目を伏せました。

 この夏休みをぼくは祖父母の家で過ごし、おじいちゃんが受けている人工透析を見学しました。

 最初に優しそうな看護師のお姉さんがおじいちゃんの体重を測定し、透析する部屋に案内してくれました。透析の係の人は二人で男の人は臨床工学技士で看護師さんは女の人でした。ぼくは初め太い針を見て怖くなったので目を伏せていましたが、せっかく見学にきたのでがんばらなくてはと思い、真剣に見学しました。

 なんだか怖そうな機械を見ながら技士さんが看護師さんにいろいろと数字を言っていました。看護師さんは技士さんから言われた数字を口に出して機械のセットをしていました。間違いを防ぐためだそうです。機械のセットが終わり、技士さんのお兄さんが太い針を持ち上げました。ぼくはその時から胸がドキドキしだしました。そして針が刺されたとき、思わず目を伏せたのです。そして二本の針を刺し終わったとき、ぼくはもっとおどろきました。技士さんが

 「ありがとうございました」

 と言われたのです。透析をしてもらうおじいちゃんが礼を言うのなら判りますが、してあげている技士さんが礼を言うなんて、すごく優しい人だなと思いました。そういえば注射をするときも、おじいちゃんをのぞき込むような立ったままではなく、しゃがんで技士さんの頭と、おじいちゃんの頭と同じ高さにしていたのも、心の優しい行動ではないでしょうか。なぜかというと、ぼくが病院で診察を受けたとき、先生に上からのぞき込まれ、怖く思ったからです。看護師さんのお姉さんもすごく優しくおじいちゃんに言葉をかけてくれました。ぼくは技士さんと看護師さんがすごく優しいので安心しました。ぼくとおばあちゃんが立っていたら、看護師さんがいすを二つ持ってきてくれました。病院の看護師さんて優しいなと思いました。気持ちが落ち着いてきてからいろいろなことが気になりだしました。そして気になったことを優しい看護師さんに聞きました。

 なぜ注射の針は太いのですか。

 注射の針は太い方があまりいたくないそうです。細いより太い方がいたくないなんて不思議です。

 なぜ血が固まらないのですか。

 ぼくはときどきけがをしますが、出た血はすぐに固まります。でもおじいちゃんの身体から出てきた血は固まりません。それは機械に秘密があるそうです。
 その秘密とはその機械を通す血に少しずつ薬を入れて血が固まらないようにしているそうです。

 なぜ人工透析をするのですか。

 それは人は食事をしますが、じん臓の働きがにぶくなった人は身体を駄目にする悪い要素が血液の中に残り、脳の働きが悪くなり、身体も悪くなるので、人工透析をして血をきれいにするそうです。

 おじいちゃんは一週間に三回人工透析をしています。ということはもしおじいちゃんが人工透析をしなければ、死んでしまうと思います。おじいちゃんは、おばあちゃんや、ぼくに、「週に三日も透析やからしんどいわ」とよく言っていますが、おばあちゃんの話ではおじいちゃんは透析中によく寝ているそうです。ぼくは病院で透析を見学し、病人は寝ていても技士さんや看護師さんは病人のためにすごくがんばってくれているんだなと思いました。病気にはなったけど優しい技士さんや看護師さんに囲まれておじいちゃんは幸せだな、と強く思いました。針を刺してくださった技士さん、おじいちゃんに優しく、ぼくに親切に教えてくださった看護師さん、ありがとうございました。


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