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小学生の部
<優秀賞>
「今年の夏休みに教わった言葉と漢字について」
唐木 映里花(9歳)埼玉県春日部市・小学3年


 私は3年生の夏休みに、「NICU」という言葉と、これから習う漢字「命」という字の意味を、お母さんから教えてもらいました。

 平成12年7月25日の夜8時18分に、私は生まれました。3千63グラムの元気な赤ちゃんで、お母さんは私のうぶ声を聞いて、とても安心したと話してくれました。

 けれども生後3日目に、たくさんの血を口からはいて、「NICU」のある病院に私は運ばれました。『新生児メレナ』という重い病気にかかり、「NICU」のある病院に急いで運ばないと、助からないと言われたからです。私をうんだばかりで、たい院することができないお母さんは、きゅう急車で運ばれていく私を見て、なきながら見送ったことを、今初めて知りました。

「『NICU』を日本語にすると、『新生児集中ちりょう室』と言います。重い病気の赤ちゃんの命をすくうため、おい者様が全力をつくす場所です。そこに運ばれて、たくさんの人たちに見まもられ、えりかの重い病気は、だんだんよくなっていきました。だから、助けられたその命を大切にしてほしいの」
とお母さんがふるえる声でそう言いました。

 私は生まれたばかりの赤ちゃんと引きはなされてしまったお母さんや、家族の気持ちはどんなに心細かったのだろうかと思いました。そして、おい者様が私の命をすくうために、全力でねずのちりょうもしてくれました。私は、感しゃの気持ちでいっぱいになりました。

 私のその様子を見て、お母さんが次にこんなことを聞いてきました。

「『命』という漢字は、もう習ったのかしら」
とお母さんに言われて、私は、
「『命』という漢字は、3年生で習う漢字だけれど、まだ1学期では習いませんでした。多分、2学期で習います」
とお母さんにつたえました。お母さんは、私の言葉を聞いてその後に、「命」という漢字の成り立ちについてせつ明してくれました。

「これから習う『命』という漢字は、『口』と『令』という漢字の組み合わせでできています。それは、神様や天の意思をつたえるということです。『生きなさい』と神様が命令している意味を持つ漢字なのです。その事をよく考えなければいけません」

 私はお母さんの顔を見つめて、うんうんとうなずきました。これから習う「命」という漢字には、こんなにも大切な意味があるのだとわかったからです。

 お母さんから命をさずかって、私は生まれてきました。あぶなかった生まれたばかりの私の命を、おい者様が助けてくれました。これまでに、多くの人たちに見まもられ、今年の7月25日に9才のたん生日を、元気にむかえることができました。

 私は夏休みに、一つの言葉と一つの漢字を学ぶことができてとてもうれしかったです。夏休みが終わって、2学期が始まりました。私は早く、この「命」という漢字を国語のじゅぎょうで習わないかと、まち遠しく思っています。

 クラスのお友だちにも、この漢字の成り立ちとその大切な意味について、ぜひ教えてあげたいです。そして、私が入院した「NICU」のことについても……。


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