Home体のコラム>爪の話

体のコラムインデックス
右利きと左利きの話
つむじの話
土踏まずの話
眉の話
心臓の話
爪の話
舌の話
へその話
体のコラム

爪の話

メインイラスト「爪の垢ほどの……」という言葉があるくらい、爪は体の中でもごく小さな存在です。にもかかわらず、ちょっと深爪しただけで気分が落ち着かなかったり、爪先を整えるだけで清潔感が漂ったり、小さい割に意外と大切なポジションにあるようです。

哺乳類を例に取ると、爪の種類として、鉤爪、蹄、扁爪(平爪、ひらづめ)があります。蹄、扁爪は鉤爪が変化したものです。

猫やトラなどの肉食動物の爪は鉤爪です。鉤爪は、獲物を捕らえるといった、言わば武器。使わないときにはしまっておける優れた仕組みを持っています。

牛や馬など草食動物の爪は蹄です。蹄は、固くて大きく厚いのが特徴です。体を支えたり、地面を蹴ったりすることができるよう丈夫になったのでしょう。

そして、人間と一部の猿の爪は扁爪です。この爪の違いを指して「肉食でも草食でもない。ゆえに、人間は雑食なのだ」という説を唱える人もいます。その真偽は定かではありませんが、扁爪が指先をうまく支えているからこそ、人間はこんなに自由に指先を使うことができるわけです。

そもそもわたしたちの爪は、指先を守るために皮膚が変化してできたものです。髪が大切な頭、つまり「脳」を守っているのと同じです。そのせいか、爪と髪は、不思議な共通点が多くあります。爪はカルシウムからできていると勘違いされがちですが、主要成分は髪と同じ「ケラチン」というたんぱく質です。どらちも毎日少しずつ伸びますし、それになんと言っても、髪も爪も、ことに女性にとっては大切なファッションのポイントだというのが大きな共通点でしょう。形を整えたり、色を楽しんだり……個性の表現にはいまやかかせません。

爪のおしゃれは、かなり古くから行われていたことがわかっています。古代中国では男女ともに、蜜蝋、ゼラチン、アラビアゴムなどで染めていました。また古代エジプトでは、ヘナというミソハギ科の熱帯植物で爪や髪を染めていました。かのクレオパトラもヘナを愛用し、美貌に磨きをかけていたとか。そんな古代のおしゃれは、同時に身分の高さの象徴でもあったようです。

自然なピンク色でつやのある爪は、健康のバロメーターです。ときどきのチェックをお忘れなく。色が変わる、反り返る、丸くなるなどの変化に気づいたら、かかりつけの医師に相談してみましょう。


▲体のコラムくらしの小径ホーム