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中国湖南省の定番おかず:酸菜蒸肉

メインイラスト 中国各地には、豚バラ肉の蒸し煮料理がいろいろありますが、なかでも、湖南省の家庭でよく作られる「酸菜蒸肉(スヮンツァイジェンロウ)」は、一見、何の変哲もないようでいて、一度食べたら忘れられない独特な辛味と風味があります。
春節(旧正月)や誕生日などのハレの日(特別な日)はもちろん、日常の食卓にも登場する人気のおかずのひとつです。

作り方はいたって簡単。まず、器に豚肉の塊を入れます。そして、ざっと水洗いした「酸菜」、老酒、醤油、ショウガ、青ネギ、水、唐辛子、豆鼓(トウチー:蒸した黒豆を発酵させて乾燥させたもの)を加え、1時間ほど器ごと蒸すのです。
干し野菜の香りと酸味、そして唐辛子の辛味がしみこみ、ご飯がいくらでもすすむおいしさに仕上がります。

湖南省は、広東省の北に位置する地域です。中国で2番目に大きな湖、洞庭湖の南に広がり、名山、名城、名水が数多く、米どころとしても有名。また、毛沢東の出身地としても知られています。
そして湖南の料理は、中国八大料理のひとつに数えられ、そのおいしさと辛さは、四川料理と並んで語られるほどです。
湖南でも四川でも、辛さのベースは唐辛子。生、乾燥、酢漬け、ペーストなど、料理や好みによって使い分けます。
ただし、湖南と四川では、辛さのニュアンスが違います。胡椒や山椒の利いた四川の「麻辣(マーラー)=ピリッとした辛さ」に対して、湖南の辛さは、「酸菜蒸肉」にも見られるような「酸辣(スヮンラー)=酸っぱ辛さ」が特徴です。

「酸菜蒸肉」に欠かせない「酸菜」は、カラシ菜をそのまま、あるいは、塩漬けしてから天日で干したもの。細かく刻んで保存し、いろいろな料理に使います。
市販品もありますが、「やっぱり自家製のほうがおいしい」と料理自慢は口を揃えます。
カラシ菜は小松菜と同じアブラナ科の葉野菜で、中国には多品種あり、地方によっては、塩漬けしてカビを生じさせてから干したり、乳酸発酵させてから干したりする加工方法もあります。
保存食になるうえに、旨みや香り、さらに栄養も増す干し野菜は、中国の家庭に昔から伝わる料理の知恵であり、郷土の味の奥行きを広げる食材でもあるのですね。


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