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味噌汁の原点は、「具だくさん」

メインイラストお椀を持つ手のぬくもり、味噌のふくよかな香り、ひとくち飲むと体に染みわたる満足感、味噌汁は毎日の食卓に欠かせないものになっています。
食生活の欧米化が進んだ現代でも、「1日に1回は味噌汁を飲まないと落ち着かない」という人が少なくないのは、そんな毎日の体験の積み重ねがあるからでしょう。

日本で味噌汁が誕生したのは、鎌倉時代末期から室町時代にかけて。
それまで、味噌は主として食事やお酒に添えられる「なめもの」でしたが、すり鉢とすりこぎの普及にともなって、調味料としても広く使われるようになったと言われています。
16世紀の書物には、「汁もの」は「食事」、「吸いもの」は「酒の肴」と記されています。また、江戸時代のしきたりでは、「汁もの」は実も汁もたっぷりと、ふたなしの椀に入れ、「吸いもの」は実も汁も少なく上品に盛りつけて、ふたつきの椀に入れるとされていました。
この区別は、味噌仕立て、醤油仕立て、いずれにも通じるもので、食事に出される「汁もの」は、具がたっぷりで、おかずにもなる一品だったといえます。
戦国時代を生き抜いて江戸幕府を開いた徳川家康も、具だくさん味噌汁を日常食としていたと伝えられています(→食物繊維で天下統一?)。

もともとは具だくさんだった味噌汁ですが、今日は、豆腐とワカメに代表されるように、具が1〜2種類の味噌汁が一般に多く食されているようです。
戦後、高度成長期に「定食」が料理店で出されるようになり、店では経費節減のために具を少なくし、それに影響されて家庭でも具の少ない味噌汁が作られるようになったという説もあります。
あるいは、「吸いもの」の上品さが一般庶民の知るところとなり、具の少ない汁ものが好まれるようになったのかもしれません。または、和洋中華いろいろなおかずが食卓に並ぶようになり、その一方で味噌汁がシンプルになったのかもしれません。

現代人に不足がちな根菜などの野菜や豆類をたっぷり入れて、栄養のバランスのとれた具だくさん味噌汁を食卓に登場させてみてはいかがでしょうか。

ふるさとの具だくさん味噌汁

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