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「食べ合わせ」のいまむかし

メインイラスト このところ各国の食材を使った料理が街にあふれ、食に対する人々の探究心は留まることを知りません。そのような時だからこそ、ふと立ち止まり、食と健康を考え合わせた先人の知恵に耳を傾けてみてはいかがですか。

「食べ合わせ」の考えは、古代中国における食文化に元を発し、その後日本にもたらされたもののようです。平安時代中期に丹波康頼が中国伝来の文献を編纂した『医心方』という医書の中には、具体的な「食べ合わせ」の例が記載されています。
その後江戸時代には、かの貝原益軒が『養生訓』の中で「うなぎとぎんなん」、「豚肉としょうが」、「鴨とクルミ」など、当時「一緒に食べるとよくないもの」とされていた組み合わせを多数紹介しています。

明治以降このような「食べ合わせ」の考えを津々浦々に広めたのは、越中富山の薬売りと言われています。彼らは商売のかたわら、紙風船や錦絵などのおまけとともに、「食べ合わせ」の言い伝えなどを配っていたようです。

当時の食生活事情では、食材の鮮度が保てない、消化が悪くて胃もたれする、口当たりが良くてつい食べ過ぎてしまう、などの理由でおなかの調子を悪くすることがよくあったことから、それらは注意を喚起する意味で広まったのではないでしょうか。そしてさらに、庶民の知恵として時代によって内容を変化させつつ、今日まで伝承されてきたのだろうと考えられます。

最近では、「食べ合わせ」には科学的根拠はないと言われています。しかし、食生活が多様化している現代、この「食べ合わせ」を時に見つめなおし、体をいたわって食中毒や暴飲暴食には十分気をつけたいものです。

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