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平成27年(2015年)11月5日(木) / 各地の医師会から / 日医ニュース

佐賀県医師会の学校健康教育への取り組み―佐賀県医師会―

佐賀県医師会の学校健康教育への取り組み―佐賀県医師会―

佐賀県医師会の学校健康教育への取り組み―佐賀県医師会―

 学校保健における学校医の職務として健康教育があり、積極的な参画が期待されている。

 佐賀県では佐賀県医師会、佐賀県教育委員会、佐賀県福祉部健康増進課などの協力で、県下全域を対象に、学校医を中心とした防煙教育と性教育を行っている。

 防煙教育は平成18年度より中学1年生を対象に開始し、平成22年度より小学校6年生も対象に行うようになった。性教育は平成21年度より中学2年生を対象に開始し、平成22年度からは高校1年生も対象に行っている。

 佐賀県医師会では、講義内容の平準化と講師が参加しやすいように、教材用のスライドを作成し、研修会を実施。また、そのスライドは、毎年、対策委員会で見直しなどの改定作業を行っている。

 この取り組みにより、各学年で9000人前後の児童生徒が防煙教育や性教育を受けている。

 全県下で実施してみると、学校医の参画は期待したほど多くない。平成26年度の防煙教育は、小学校での学校医の参画は35%、学校薬剤師35%、学校歯科医5%、学校関係者など25%であった。中学校では学校医38%、学校薬剤師25%、学校歯科医13%、学校関係者など24%であった。中学校では、平成21年度の学校医の参画は45%で、年々減少している。

 中学校での性教育では、平成25年度は学校医35%、協力医(産婦人科医)23%、助産師・保健師等が42%であった。学校医の参画は、ほぼ横ばいである。

 防煙教育及び性教育での学校医の参画は、これまで一度も50%に達していない。なぜ、学校健康教育への学校医の参画が少ないのか。主な理由は、「診療時間帯にかかるからできない」など日常診療への影響や、「高齢だからできない」といった高齢化の問題で、中には、学校側から講義依頼の連絡がないために、学校医が行っていないといったケースもあった。

 性教育について言えば、性教育を行うのは産婦人科医であると考えている学校医がほとんどである。現在でも性教育などできないと答える学校医は多い。全く関心を持たない医師もいる。このような状況で学校医が35%講義を行っていることは評価できるのではないか。

 一方、産婦人科医は、出産など時間を待ってくれない診療を行いながら講義を行っている。その上、医師数が少ない。熱心な産婦人科医は年間、高校を含め20校以上で講義をしているケースもあった。
 このような状況で懸命に行っている学校健康教育を検証してみる。

 喫煙は、20歳未満は法律で禁止されているので検証は難しい。

 性教育は、厚生労働省が取りまとめている人工妊娠中絶率が指標になる。佐賀県の20歳未満の人工妊娠中絶率は、平成16年度は全国ワースト1位であった。性教育の授業を開始し、平成23年度は20歳未満の人工妊娠中絶率が全国ワースト12位まで改善した。佐賀県の「性教育」に対する真摯(しんし)な取り組みの成果と思われる。ところが、平成26年度では再び悪化しワースト4位になったが、20~24歳では平成25年度の13位から22位と大幅に改善した。児童・生徒の性教育に実効性はあると考えられる。

 今後の課題は、学校医の更なる参画と多職種の参加並びに協力である。更に教育委員会を含め学校側の熱意のある対応、地区医師会の主導も不可欠である。学校医を中心にした地道な取り組みは、佐賀県の文化すら変えることもできると信じている。

 佐賀県医師会は、医療関係者、県教育委員会などと緊密な連携を取り、学校健康教育を推進していく所存である。

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