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平成27年(2015年)11月5日(木) / 日医ニュース

内閣府「歳出効率化に資する優良事例の横展開のための健康増進・予防サービス・プラットフォーム」に出席

 横倉義武会長は10月6、7の両日、都内で開催された健康増進・予防サービス・プラットフォームの第2回、第3回会合に出席した。

 このプラットフォームの開催主旨は、平成25年12月に成立した関係法に基づいて、いわゆる「社会保障と税の一体改革」を、国民に約束したとおりに実行するとともに、現在の最重要課題である、強い経済を取り戻すために、経済再生と財政健全化の双方を同時に実現する歳出改革を実行することにある。

 2025年以降のわが国は、2200万人、4人に1人が75歳以上という超高齢化社会が到来し、医療と介護の負担と給付が大きな問題となる。一方で、社会保障と税は「所得再分配」と「セーフティーネット」の機能を有していることから、それらの機能低下につながるような経済政策は、かえってマイナスに働く。

 今回の取り組みは、危機を飛躍の好機と前向きに捉えて、自治体、企業、保険者、本人が知恵を出し合い、力を合わせて、国民の健康寿命の延伸を実現すると同時に、歳出効率化分を新しい市場と産業の創出に確実につなげることで、経済を強くし、高齢になっても生きがいを持って働き続けることができる社会を実現しようとする試みである。

 会議では、全国に横展開が可能な優良事例候補について、6日には「広島県・呉市国民健康保険」等、7日には「花王健保組合」と「協会けんぽ大分支部」の取り組みについて、関係者からヒアリングが行われた。

 その中では、高齢化の進展と医療費の増加に危機意識を持つ、各種の保険者と地域医師会、かかりつけ医などの医療関係者、経営者、商工会議所などの経済団体、システムを構築するIT専門企業、健康経営のコンサルティング企業、地方厚生局、自治体が自発的に連携して、健診の受診促進など、健康増進・予防活動に着実に取り組んだ結果、病気の早期発見・治療と、生活習慣病の重症化予防、例えば、糖尿病性腎症の重症化予防による透析移行の回避などによって、医療費の節減につながったとの説明があった。

 また、予防・健康づくりの効果として、レセプトのデータベース化や分析手法の独自開発など、IT専門企業と健康経営のコンサルティング企業などに新たな事業機会を提供し、民間企業の投資を呼び込み、経済再生につながっているとの考えも示された。

 議論の中では、塩崎恭久厚生労働大臣が6日の総括コメントで、「優良事例の全国への横展開に際して、かかりつけ医と地域医師会の役割は極めて大きく、その協力なしにはこの試みが成就しない」と強調。また、甘利明内閣府特命担当大臣(経済財政政策)も7日の総括コメントで、「これらの事例は、行政、企業と健保組合による『コラボヘルス』の先進的な事例であり、関係者の連携が重要であることが分かった」とした。

 横倉会長は、「専門職による糖尿病の指導の継続によって、重症化を予防することは非常に有効な手段であり、呉市のやり方をぜひ、全国に広げていくべきである」と述べた他、「特に、中小企業で働いている方々の健康管理体制をどうつくり上げるかということを、経済界全体で考えて欲しい」と要望した。

 今後、本会議では、12月にかけて、優良事例を全国展開していくための方策について検討し、年内の経済財政諮問会議に中間的な進捗状況を報告する予定となっている。

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