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平成27年(2015年)11月20日(金) / 日医ニュース

『児童生徒等の健康診断マニュアル』の改訂について概説

『児童生徒等の健康診断マニュアル』の改訂について概説

『児童生徒等の健康診断マニュアル』の改訂について概説

 平成27年度学校保健担当理事連絡協議会が10月21日、日医会館大講堂で開催された。
 道永麻里常任理事の司会で開会。冒頭あいさつした横倉義武会長は、「学校保健は、生涯にわたって健康を維持していくためにも大切な幼少期から学齢期の健康を支える大きな基盤の一つになっている」と強調。「多様化する健康課題に対処するためにも、今後は、地区医師会、専門医会、教育委員会、日本学校保健会などの関係者が、子どもの健康という同じ目的のため、組織的連携を深めることが大切になる」として、更なる理解と協力を求めた。
 続いて、松永夏来文部科学省初等中等教育局健康教育・食育課学校保健対策専門官から、今回の学校保健安全法施行規則一部改正に係る留意事項等について、具体的な説明が行われた。
 その中では、主な改正内容として、(1)座高、寄生虫卵の有無の検査を必須項目から削除、(2)四肢の状態を必須項目に追加、(3)保健調査の実施時期を小学校、中学校、高等学校、高等専門学校の全学年とする─の3点が提示された。
 (1)の座高の削除については、身長・体重成長曲線等を活用した継続的な管理が必須であり、その管理については、成長曲線作成プログラムを活用して欲しいとした。
 (3)については、時間が限られている等、制約のある環境の下で、効果的に健康診断を行うためにも、学校側が事前に児童生徒の健康状態を把握し、学校医に伝えることが必須であり、その事前準備として保健調査票の活用を求めるとともに、家庭、地域、学校、学校三師等が連携し、児童生徒等の健康課題に取り組んで欲しいとした。
 また、既に『児童生徒等の健康診断マニュアル』(発行:日本学校保健会)を全国の小・中・高等学校に配布したことを報告。正しい理解を深めてもらうためにも、関係各方面に対し、引き続き文科省から周知を行っていくとした。
 続いて、『児童生徒等の健康診断マニュアル』(平成27年度改訂版)の内容に関して説明が行われた。
 柏井真理子日本眼科医会常任理事は、今回の一部改訂により、保健調査票に色覚に関する項目が新たに追加されたことを評価するとともに、色覚異常は自分では気づきにくいことから、進学・就職時に初めて異常を指摘され、進路変更を余儀なくされる等、混乱が生じているとして、学校での色覚検査の必要性を改めて指摘。
 今後求められることとして、(1)検査の実施には、児童生徒や保護者の事前の同意を得て個別に検査、指導を行うなど、適切な対応への体制整備を行うこと(2)教職員が色覚異常に関する正確な知識を持つとともに、適切な配慮・指導を行うこと─などを挙げた。
 また、学校医に対しては、保健調査票を活用し、検査対象者への色覚検査の推奨を求めるとともに、検査希望者に対する積極的な検査の実施を要望した他、児童生徒が将来不利益を受けることがないよう、保護者に対して、色覚検査の意義の周知、検査実施への理解を深めてもらうことが重要になるとした。
 新井貞男日本臨床整形外科学会副理事長は、新たに必須項目となった「脊柱及び胸郭の疾病及び異常の有無並びに四肢の状態」の検査について、その実施方法等を概説。
 検査方法は、(1)家庭から学校に提出される保健調査票、学校での日常の健康観察等の情報を学校側から得た上で、学校医が行う(2)「側わん症」「四肢の状態」等について、入室時の姿勢・歩行の状態に注意を払い、保健調査票でのチェックの有無等により必要に応じて検査を行う─とされているが、その実施については各学校に委ねられているとし、その好事例として千葉県医師会が実施した運動器検診モデル事業を紹介した。
 最後に、「運動器検診の担い手は整形外科医が理想ではあるが、現状ではほとんどの学校において学校医が行っている。学校健診で異常が疑われた場合には、専門医への受診を勧める等、適切な事後措置につなげて欲しい」として、学校医に対し更なる協力を求めた。
 引き続き行われた質疑応答では、都道府県医師会より事前に寄せられた質問や要望に対し回答を行った他、運動器検診に関する活発な質疑応答が行われ、会は終了となった。

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